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主戦場はアメリカ!! 2004年のツアーライセンスを手に、宮瀬博文がいよいよ船出する

“拠点”も決まった。ロスから車で40分のところに借りた3LDKのアパートには、来月にも一家揃って腰を落ち着ける予定だ。今回の渡米に積極的だったのは、むしろ家族のほうだった。「僕なんかより、よっぽどその気!『もし今年1年やってダメでも、あなた一人で日本に帰ってね』なんて言われてるくらいで・・・(苦笑)」。妻や子供たちのたくましい言葉に、勇気づけられている。

食事の面でも、不安はない。「僕は、何を食べても大丈夫なタイプだし!」。異国での新しい転戦生活に戸惑うことがあったとしても、すぐそばに丸山、田中という頼もしい“先輩”もいる。

ひとつ、心配があるとすれば語学だろうか。「英語はまったくダメで・・・。話し掛けられたら最初はとにかく笑ってジェスチャーで答えるしかないかなあ・・・」と頭を掻くが、それもトレードマークの天真爛漫な笑顔さえ忘れなければ、そのうちクリアしていけるだろう。

昨年、日本勢としてただひとり、米ツアーの最終予選会を突破した宮瀬博文が、いよいよ本格始動する。

次週のソニー・オープン・イン・ハワイに出場できるかは、宮瀬のランク(28位)では現在のところまだ微妙ということだが、今週10日にまずは単身現地に飛んで、チャンスを伺うつもりだという。

渡米を前に今週7日(水)、都内江東区のSRIスポーツ内会議室で記者会見を行った宮瀬は、「僕はもともとあまり大きなことを言うタイプじゃないので・・・」と前置きしながら言った。「とにかく1戦1戦を一生懸命に戦って、まずは125位内で来年のシード権を手に入れることを第一の目標としたい」。

今年33歳。選手として一番、脂が乗っているときでもある。この時期に、あえてアメリカ参戦を決めたのには、自らの精神的な成長を図る狙いもあった。

「僕はわりとすぐに諦めてしまうタイプ。アメリカで我慢を覚えることで、ひとつ大きくなれればいいなって思っているんですよ」。

スケジュール的にも、今年はほとんど行ったきりの生活になることが予想されるが「とにかく、1年は日本に帰ってこないぞ、くらいの強い気持ちで戦ってみる」と、宮瀬。

「日本のファンの皆さんに忘れられないためにも、なんとか向こうでよい成績を残してきます!」。謙虚な中にも確かな闘志を秘めたコメントに、強い決意が伺えた。

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