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カシオワールドオープン 2009
田中が、野上が…次週のファイナルQTに賭ける!!
賞金ランクは76位に終わった竹本直哉は、3年連続3度目のシード権まであと一歩だった。
しかしこの日最終日は再三のチャンスを外し、いよいよ迎えた最終9番では9メートルのバーディトライを3パット……。
今年は「エンジンがかかるのが遅すぎた」。序盤に出遅れ、ようやく調子が出てきたのが、シーズンも中盤を過ぎた頃。
「今から、ツアーが始まるんだったら間違いなく行けていた」。
しかし、泣いても笑ってもこれが今季最後の一戦。それが現実……。
こうして来季の出場権を失ってみて、改めて思うことは「こういうことを、何年もやり続けている人は、ほんとうに凄い」ということだ。
「シード権を守るって、ほんとうに大変なことなんです。それを、何年もキープ出来る人っって……」。
しかも、回数を重ねるほどに、その重みは増していくのだ。
初シード入りを果たした2007年は失うものは何もなく、ただひたすら前だけを見ていられる強さがあったが、2年間のシード権を経験した今では「すでにいろんなものを背負っているから。かえって難しくなっていくものなんですね」。
そして、3年連続5度目のシード権取りに失敗した野上貴夫もまた竹本と同じような思いを抱えていた。
今大会は初日こそ3位につけて、「行けるかもしれない」と希望を持ったがそう思った瞬間に、自分のゴルフをさせてもらえなくなった。
「追い込まれているから、日に日にパットも入らなくなる」。
特にグリーン上で痺れ、カップの手前でショートする回数が日を追うごとに増えていった。
「初日良かっただけに、守りに入ったというのも多少はある」。
結局51位タイに沈んで、「あとはもう、QTで頑張るしかない」と、気を取り直した。
初日に16位タイでスタートした田中もまた42位タイに終わり、2002年から5シーズンを戦った米ツアーから持ち帰った怪我からの復活はかなわなかった。
「自分はシード権を争える域にまだ達していない」。
そう痛感しながらも、しかし最後まで諦めずに戦い抜いた。
「良い感じになってきたし、ネガティブに考えずにこのまま行きたい」。
95年の日本オープンを含むツアー通算10勝の実力者が、日本でいわゆる予選会と呼ばれるものに出場するのは実に14年ぶりとなるが「マイナスからのスタートの中で、自分の新しい一面を引き出せるかもしれない。もう一度、盛り返したい」と、カムバックを誓っていた。