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JCBクラシック仙台 1999

98年大会 プレイバック

初日は、川岸良兼が、6バーディ、1ボギーの5アンダーで、芹澤信雄、高崎龍雄らとともに首位に立った。日大時代から“怪物”の異名をとった川岸も、95年の今大会以来、勝ち星から遠ざかっていたから、「ようやく復活か」と話題を撒いた。川岸は、この年の1月にジャンボ軍団のキャンプに初参加して、開催前日もジャンボからパットについてアドバイスを受け、開眼。「ドライバーが暴れた分、パットとアプローチがよかったからね」と明るい笑顔を見せていた。ジャンボ尾崎は13位発進。
 「全英は、もうスケジュールに入れているよ」。
 全英オープン日本予選会を兼ねているこの大会。2日目に首位に立ち、同オープンへの意気込みを覗かせたのは水巻善典だった。ボギーなしの5バーディ。通算8アンダーで踊り出た。ジャンボ尾崎は、スコアを伸ばせず初日首位の川岸とともに、通算 4オーバーで13位。
 2日目18位だったマルちゃんこと丸山茂樹が、7バーディ、2ボギーの66で、3日目に首位をキープした水巻と3打差2位に迫った。その年、初挑戦したマスターズトーナメントで、“鏡のように早いグリーン”を経験し、イップス寸前に。自信を砕かれていただけに、 復活の糸口を見出した丸山から、久々の“マルスマイル”がこぼれ出た。
 「チャンスをしっかりものにできた。4、5メートルのパットが入れば、なんとかなる。上(首位)をキャッチするよ」と、優勝に向け意気込み充分。
 最終日は、水巻が前半だけで2位に5打差の通算15アンダー。ひとり舞台の逃げ切りVに王手がかかったかに思われたが、後半、ムードは一転した。丸山茂樹、田中秀道らの猛追にあい、大混戦に撒きこまれることになった。
 しかし、水巻は必死の逃げ切りを演じる。14番では10メートルをキメてバーディ。 1もっとも距離の長い15番ロング(589ヤード)では、「僕の飛距離(当時平均飛距離約245ヤード)では2オンできない。それより、確実にフェアウェーの広いところに落としていけばバーディは獲れる」と、ドライバーを振りまわす他選手を横目に第1打で3Wを握るなど、徹底した刻みのプレーも効を奏して下位を振り切った。
 1歩及ばなかった丸山茂樹は、通算14アンダーの2位。優勝した水巻に1打差で敗れたが、「刻むところはしっかり刻む水巻さんのゴルフがよかった」と、自ら善戦した充実感とともに笑顔で振りかえっていた。

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