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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

上平栄道が自己ベストの単独4位に

最終18番は、グリーンの左端から右端まで打つような、長い長いバーディパット。3メートルも残してしまった。
プレッシャーのかかるパーパットはしかし、強い気持ちでねじ込んだ。
「絶対に入れてやる!」。

自信はあった。
チャレンジトーナメントが主戦場の今季は開幕からずっと、パッティングが絶好調。
選手の多くが、「ジャストタッチで打っても怖い」と悲鳴を上げた今週の難グリーンも、「いつもと変わらず強気で打てた」と、最後の1打も寸分の迷いもなく、カップに沈んだ瞬間に、思わず握りしめたガッツポーズにも気持ちがこもった。

その時点で、4位タイ。
後続組が、これ以上伸びませんように・・・。
祈る思いで、スコアカードを提出した。

チャレンジトーナメントランク1位の資格でツアーの“シーズンパス”を手に入れた昨シーズン。しかし、ビッグチャンスをふいにした。
賞金ランクは85位に終わって、初シード入りに失敗した。
さらに、出場権をかけたファイナルQTもランク63位に終わって、2010年度の前期ツアーはほぼ絶望的に・・・・・・。

「去年のことは、反省してもしきれない」。

それだけに今週は、大会独自の予選会を突破しての参戦に、「這い上がった」という充実感は大きい。「今年は試合に出られない分、体力温存で、この大会に賭けてきました」。
この日本一決定戦の大舞台で昨年1年分の悔しさを吐き出す単独4位は「直近のトーナメント5位内」の資格で、次のダイヤモンドカップ(埼玉県・狭山GC)の出場権も手に入れた。「望みを忘れず、頑張った甲斐はあった」。
身長158センチの体一杯に、充実感を滲ませた。

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