記事
日本オープンゴルフ選手権 2010
4位タイにつけた甲斐慎太郎は「もっと上の夢が見たくなる」
「良いこと言いますねえ」と言って、満面の笑み。
きっかけは、先月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」だった。
首位タイにつけた初日は、なんだか後ろ向きなことばかりだった。
「モチベーションが上がらない」とか、「子供と遊んでいたほうが楽しい」とか、まるでプロゴルファーらしからぬコメントに終始していたが、学生時代に数々のアマタイトルを持ち、2003年は日本アマのチャンピオン。
またプロ5年目の2008年にはツアー初Vを達成した実力者は、その週優勝争いの末に、6位につけて、戦う本能をようやく思い出した。
「今年は調子は悪くないのに結果が出ないことが続いて。もう二度と、上に行けないんじゃないか、と思ったりしたけれど。自分にもまだ出来るんだ、と思えた。久しぶりに上位でやれたのが楽しくて」。
上位争いの醍醐味を、思い出すなり翌週も初日に7位タイ(最終日21位)、さらに翌々週は前週のキヤノンオープンでは6位タイにつけて、賞金は一気に1700万円を超えた。
「いまは、不安よりも自信のほうが出てきた」と、すっかり強気に。
同時に、欲も出て来た。
「良くなってくると、もっと上の夢が見たくなる」。
ツアー2勝目がこの日本一のビッグタイトルならば、もう言うことはない。
「・・・最終日には、そうなる予定です」と、ニヤリと笑った。