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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2010
細川和彦が首位タイに
「まるでバーディみたいなガッツポーズをしちゃったよ!」。
最後はバンカーから寄せきれず、5メートルのパーパット。
「2パットで行ければいい、と思っていたのが入ってしまった!」。まるで優勝シーンのようなクライマックスは、幸先よく首位タイ発進に成功しただけに、大きな1打だ。
ダブルボギーを打ったのは、後半の13番。深いラフに入れて諦めた。
絡みつくティフトン芝は、「ボールがすっぽり埋まって出すしかない」と、3打目でどうにかグリーンを捉えたが、奧から痛恨の3パット。
だが、すぐに取り返した。15番から3連続バーディで、再浮上した。
上空を舞う風に、出だしは戸惑った。
ティグラウンドと、セカンド地点で向きが違う。
「抜けているところや、池があるホールは特に難しかった」と、1番では第2打を20ヤードもショートさせた反省から、「風を多めに計算することにした」とそこから大きめの番手を握り、安全にグリーンセンター狙い。
「パーでいい」と、気持ちを切り替えることで、逆にチャンスを量産した。難コースでたたき出した4アンダーは67に、「ありがとうございます!」の気持ちを込めた。
アジアンツアーと日本の選手が、ほぼ半数ずつ出場する今大会は、普段のトーナメントと出場資格が異なる。
昨年の賞金ランキングは65位の細川には当初、権利がなかったが「主催者のみなさんに、お願いの手紙を書きました」。自ら売り込んで、掴んだ主催者推薦枠だ。
早朝7時27分のスタートにもかかわらず、1番の役員席にはスポンサーの方々が早々と腰を下ろしていた。背中に突き刺さるような視線を感じながら、放ったティショット。
「芯を食って、どうにか真ん中に打ててホッとした」。
恩人のみなさんに向かって「行ってきます!」。元気に手を振り出ていった。
そして、トップタイでクラブハウスに戻ってきて、「まず初日はスコアでお返しが出来たかな」。
だが、本当の恩返しはこれから。
3日間競技の短期決戦で、いただいたチャンスを最大限に生かす。