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今週、全米プロ

次週に向けて、大いに実りのある1週間だった。先週の世界ゴルフ選手権「ブリヂストンインビテーショナル」で石川遼が、海外で初の最終日最終組を経験した。一時は首位を捕らえる活躍で、自己最高の4位タイに入った。

最終日の1番ティは、本人も思いのほか冷静に立てたという。初日からの決め事。「練習場のつもりでプレーする」。
普段着のまま、終始落ち着き払った心の中で、石川には気がついたことがある。
世界のトップと優勝を争うときは、「パターに一番影響が出やすい。アドレナリンが出たり、プレッシャーがかかる時、ドライバーは振り切ればいいが、パッティングは繊細。感覚が出せなかった」と、まさに身を持って実感することが出来た。
「経験するしかないこと。ここで経験出来て、良かったと思う」。

またアダム・スコットは、チャンピオンとの直接対決で「ここのホールが大事だなという所で、ものにできるかどうかが必要」といった、勝者の鉄則も目の当たりにした。

4位タイの好成績は、大きな大きな足がかりにもなった。今週11日に、ジョージア州のアトランタ アスレチッククラブで開かれる今季メジャー最終戦「全米プロ」の成績いかんでは、来季の米ツアーのシード権獲得の可能性も出てきたのである。

「細かいことは分からないが、来週の結果次第でPGAのメンバーになれるのは分かっている。このボーダーラインを目指してやってきた。ぜひ全力でプレーしたい。」。
日本人史上4人目となる米ツアー制覇、とはならなかったが石川が自らの手で、新たな未来を切り拓こうとしている。

今週は石川のほかに、金庚泰(キムキョンテ)と池田勇太も、引き続き大舞台に挑む。先週は「トップ10に入る」との公約どおり、6位タイと大活躍だった金はいっそうの自信を得て「次もまた、トップ10を目指す」と、張り切っている。

池田は先週は75位に終わったが、気落ちはない。
「今回は、本当に悪いのはパットだけ。ほかは悪いところを見つけるのが難しいぐらい。次も大きな大会。もう一回きっちり練習したい。明日、明後日で気持ちを切り替えたい」と、前向きだ。

そのほか今週は藤田寛之と、今月初めに出場権を手にしたばかりの平塚哲二も合流する。世界最高峰の舞台で、5人のジャパンゴルフツアーメンバーが、再びビッグニュースを届けてくれるか。

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