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日本オープンゴルフ選手権 2010

武藤俊憲が4位浮上

13番からの3連続バーディでスコアボードを駆け上がり、迎えた最終18番はラッキーもあった。左からの風に流されたティショットは、熱心なギャラリーが取り巻く右の池方向へ。「当たった、と思った」。一瞬、冷や汗が出たが、ボールはうまい具合に人混みを避けて、そばの木を直撃したばかりか、跳ね返ってラフのほうに、出て来た。

せっかくの第2打は、しかしグリーンを大きくオーバー。
深いラフに潜り込んだが、これをしのいだ。「デリケートなアプローチを良く打てた」と、幸運を無駄にしないパーセーブで、単独4位に浮上した。

初のメジャータイトル獲りへ、「初日は力が入りすぎて、パンチが入った感じになった」と、自分としては、伸び悩んだ反省からこの日はリラックスして臨んだら、今度は「力を抜きすぎた」。

出だしは1番と、3番でボギーを打って、「何ホールかスイッチが入ってなかったというか、集中力が低かったですね。今思えば」と、またまた反省。

いよいよ決勝ラウンドは「力を入れてか、力を抜いてか分からないけど」と依然として苦笑いで逡巡(しゅんじゅん)しつつ、「自分のプレーに徹して精一杯やろうと思う」と、気合いを入れ直した。

2人1組の2サムラウンドとなる3日目は、18歳のアマチュアと同じ組。
実は本音を言うと、石川遼と回りたかった。
いま、もっとも強い19歳とのラウンドは、大ギャラリーに囲まれて集中力を欠く選手もいるが、武藤は逆だ。

「良い緊張感で回れる。切れかかった集中力のスイッチも、遼くんの真剣プレーを見ていると、戻ってくる感じがする」と、歓迎する。
「遼くんを応援に来たギャラリーのみなさんも、僕にも“武藤、頑張れ”とあたたかい声援を送ってくれるから。励みになる」。

残念ながら、今回は離れてしまったが、松山英樹くんは、その石川と同学年。めっぽう上手いということも、知っている。
「どういうプレーをするか、楽しみですね」。
10代に大いに刺激を受けながら、日本一を目指す。

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