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全英オープン 石川遼「プロゴルファーとして戦いに来ている」
今年の全英オープンは、ゴルフの聖地で名高いセントアンドリュース オールドコースが舞台。いたるところに伝統と歴史を感じさせる由緒あるコースだ。
石川にとっても「僕にとっては一番憧れがあるのはオーガスタですが、それに限りなく近いコース」と言える。
様々な物語の舞台となり、昨年に全英オープンが開催されたターンベリー会場に着く前に、プライベートで一度ラウンドした。その時は夢見心地で18ホールを回り、また来年ここに戻ってきたいと思うばかりだった。
しかし、今の石川に気負いと憧れは存在しない。
昨年は賞金王を獲得し、今年は海外メジャーを既に2戦したのを始め、オフシーズンにはロイヤルトロフィやUSPGAツアー4試合に出場。
先週はスコティッシュオープンに出場し、スコットランド特有の天気の移り変わりや台風を思わせるかのような強い風も経験済み。大舞台の雰囲気にものまれないようになってきた。
「プロじゃないとはしゃいでいたかも知れないけど、今はプロゴルファーとして戦いに来ている」。
そんな自覚も自然に芽生え、胸を張って堂々と話せるようになった。
12日(月)の池田勇太との練習ラウンドには、更に石川にとって頼もしい助っ人が駆けつけてくれた。
それは昨年のラウンドを共にした、セントアンドリュースのハウスキャディのスコット・ビチェリさん。
その時に交わした「セントアンドリュースに戻ってきたら、練習ラウンドを担がせて欲しい」という約束。
キャディバッグはいつも担いでいる帯同キャディーの加藤大幸さんに頼むものの、「実現して嬉しい」とこの日は一緒にビチェリさんと18ホールを歩き、コースの攻略法を徹底的に聞いた。
「セーフティならセーフティなほど良いとアドバイスを貰いました」と、中途半端に攻めるとスコアを大きく崩す事を助言された。「フェアウェイにきざむなら、少しでも先にきざんでいたけど、どうせきざむなら安全に」というセオリー通りのゴルフに徹底する。
また本日発表された組み合わせで、全英オープンで2007年・08年と連覇を果たしたパドレイグ・ハリントン、トム・ワトソンと同組になる事が分かり、「ワトソンと言えば、リンクスコースというイメージがある。昨年の全英オープンでの活躍も鮮明に覚えている。そういう人達とゴルフの聖地で戦えるとは」と胸を躍らせた。
風が吹けば世界一難しい、風が吹かなければ世界一易しいと言われるオールドコースで、石川も「風がなければ半分以上はチャンスホール」と話す。木曜日の予選初日までには、試合モードを高めていく。