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アジアのリベンジなるか!?「ザ・ロイヤルトロフィ」
その瞬間、キャプテン・ジョーの頬がニヤリと緩んだ。
欧州ツアーのキャプテン、コリン・モンゴメリーが、我らがアジアチームを見渡して、感心したように言ったのだ。
「今年は、史上最強のメンバーだね」。
「その通り!」と、即答した。
もはや常連メンバーといってもいい、ベテランのインドのジーブ・ミルカ・シンがいま、深刻な腰痛をかかえており、出場するかどうかは直前まで微妙な状況ではあるがピンチヒッターとして、すでに地元タイ出身のこれまたベテラン、プラヤド・マークセンが準備万端、控えている。
そして、やはり大会の常連、地元タイ出身のトンチャイ・ジェイディと、中国のWリャンに加えて、日本からはイキの良い選手たちばかりが揃っている。
3年連続3度目の出場となる石川遼に、池田勇太と薗田峻輔はいずれも初出場だが、アジア・キャプテンの尾崎直道は、「3人とも勢いがあり、マッチプレー向きの選手たちだし、ハートも強い」と、何も心配していない。
さらにこの2人がいれば、鬼に金棒。
金庚泰(キムキョンテ)と盧承烈(ノスンヨル)は、いずれも韓国の“賞金王”コンビだ。日本とアジア、それぞれで頂点に立った2人は必ずや、チームの要となるだろう。
「メンバー表を見ただけで、相手チームに恐怖心を沸かせられたこと」。
もうそれだけでも自分の目に狂いはなかったと、キャプテンジョーの心にも、ほのかな自信がわいてくる。
昨年大会は、確かに負けはした。
しかし、それでも8.5対7.5は、僅差の戦いだった。
今、改めて1年前を振り返っても、「良い戦いだったと思う」と、直道の心には一点の悔いもない。
誰一人として最後まで諦める者はなく、みなで善戦したという実感に、今年はさらに勝利の美酒が加われば、それに越したことはない。
「最後は接戦でも勝ちたい」とリベンジに向けて、改めて切実な思いを語ったキャプテン・ジョーに、若き日本のヒーローにも異存はない。
石川遼が、メンバー全員の思いを代弁した。
「今年もアジアは素晴らしいメンバーが揃い、熱いプレーがたくさん生まれると思うが、とにかく僕は、チームが勝てれば大満足です」。
いよいよ決戦のときは、7日(金)の2日後に迫り、自ずと高まっていく闘志。みんなで力を合わせ、必ずや“王冠”を奪い返してみせる……!!