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篠崎紀夫が施設訪問
プロ16年目の37歳(当時)。小4から始めたサッカーは、強豪校からスカウトが来るほどの実力を持ちながら、理由もはっきりとないままいきなり推薦入学を取り消されたのを機に、18歳でゴルフに転向。
身長162センチはツアープレーヤーの中で2番目に小さいが、正確なショットと絶妙な小技を生かしたステディなプレーにはかねてより、定評があった。
しかしデビュー後は出場権すら恵まれない年もあり、妻・美紀さんがコツコツ貯めた500円玉貯金も切り崩すしかないほどの不遇の時を経て、いよいよその実力を花開かせた。
まだ一度もシード権すらなかった選手が表彰式で見せた男泣きは、大勢のファンや関係者に勇気を与えたものだ。
下積み時代から続けてきたレッスン業。ジュニア育成にも熱心で、このオフに教え子に再会できることを楽しみに、昨シーズンを戦い抜いた。
ツアーチャンピオンに輝いても“黒子役”に徹し、毎年参加してきた12月の「全国小学校ゴルフ選手権 横尾要カップ」で今年もまた競技委員をつとめ、影から大会を支えた。
また昨年末には、ツアー初優勝の副賞の北海道知事賞の北海道米ななつぼし300キロを、地元千葉県の社会福祉施設2箇所に寄贈。
さらに、ただ寄贈するだけではなく、施設の子供たちとぜひ触れ合いの時間を持ちたいと、今月31日には寄贈先である母子支援施設への訪問を予定している。
新シーズンの目標は、もちろん2年連続の賞金シード入り。
そして、次のツアー2勝目。
「昨年の優勝は、たくさんの人たちに支えられたから。その恩を少しずつでも返していきたい」と、社会貢献活動にいそしむかたわらで、4月の開幕にむけて調整にも余念がない。