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久光製薬KBCオーガスタ 1999

「夜も眠れなかった」米山剛

 大会週の火曜日。発表された組み合わせ表を見た米山剛は、思わず「まいったな…」と頭を抱えてしまった。
初日、2日目とあのジャンボ尾崎と同じ組。「しかも、いま絶好調の伊沢くんと一緒でしょう。え〜っと思ったんですよ。その日は夜も眠れなかった」。
 しかし、6月の三菱自動車で初優勝をあげたあと、初出場の全英オープンで善戦。米山の自信にならないはずはない。「調子のよさは続いている。とにかく自分のゴルフをしようと心がけたことがたまたまうまくいっただけ」
 この日ノーボギーの66。通算8アンダーで首位・野上に1打差の2位。ツアー2勝目のチャンスだ。

 「ジャンボさんたちにひっぱってもらったというのがあります。ぼくなんか、ジャンボさんの100/1も勝ってないんです。優勝は結果。したいと思って勝てる人は日本でも数人しかいない。ぼくなんてまだまだです。自分以上の力を出そうと高望みすると、ミスしたときに立ち直れない。
 設定を高く持たず、まわりに惑わされず、結果にこだわらずやるだけです」。
 謙虚な言葉ばかりがこぼれ出るが、初優勝まで実に12年。勝てそうで勝てなかった苦しみから、ようやく「開放された」米山は、いま乗りに乗っているといって間違いない。

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