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アンダーアーマーKBCオーガスタ 2006
「チームメイトの前でよいゴルフを!!」アマチュアの重永亜斗夢くん
今回、バッグを担ぐのは重永くんとは小5からの付き合いという、キャプテンの松岡勇作くん。
2人の晴れ舞台を、ロープの外から見つめるのは、揃いのユニフォームを着て駆けつけたチームメイトたち。
「みんなが見ているから。下手なプレーはできないと思って、気合は入っていたんだけれど・・・」。
いかんせん、いまゴルフの調子があまり良くない。
「・・・いつもなら、入れているはずのパットも、入ってないね」と、引率のゴルフ部監督・田中宏明先生も顔を曇らせた。
重永くんの応援を兼ねて、「みんなも、こんな舞台に立てるような選手になって欲しい」というメッセージをこめて、部活動の一環として部員を会場に連れてきたものの、初日は6オーバーと大きく出遅れた。
厳しいスタートとなったものの、それでもトーナメントの舞台に立てる2人のことがうらやましい。
女子部員たちが、口を揃える。
「グリーンとか、すっごくキレイだよね!」。
「思わず、私も打ちたくなっちゃった」。
「私も、こんなコースで一度プレーしてみたい!」。
「トーナメント、出てみたいよね〜!」。
今回、重永くんの出場が実現したのは、今年発足した“テレビ朝日系列”3社共同のジュニア育成プロジェクト。
中継局の朝日放送、瀬戸内海放送、九州朝日放送が、『マンシングウェアオープンKSBカップ』『アンダーアーマーKBCオーガスタ』『ABCチャンピオンシップ』の3大会で、将来有望なジュニアたちにチャンスを与え、厳しいツアーのセッテイングを経験してもらおうという試みだった。
だが、その成果は当人だけに留まらなかったようだ。
“我らが副キャプテン”を羨望のまなざしで応援しつつ、部員たちはトッププレーヤーの技にも自然と目が行く。
田中先生はいう。
「特にプロのアプローチやパット、ルーティンなどを目に焼き付けて帰って欲しい。トッププロほど、常にリズムが一定であることなどを、肌で感じて欲しかった」。
この日の観戦の本当の目的は、実はここにあったのだろう。
「予選通過は厳しい位置。それでも、明日はとにかくアンダーパーで回りたい」と重永くん。
キャディの松岡くんは、中3で日本ジュニアを制した逸材でもある。
アシストに申し分ない“相棒”も、「沖学園の代表として、僕も精一杯に彼を盛り立て良いプレーをさせてあげたい」。
チームメイトの祈りを背に、力を合わせて巻き返しを狙う。