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中日クラウンズ 1999
通算4アンダー単独2位、今野康晴
「この時期、ラフでも芝が生え揃ってないところがところどころあって、初日にまわってみたとき、アプローチで球がクリーンに捕らえられず、どうもチャックリしそうな感じがして怖くてしょうがなかったんです。
で、その克服方法を探そうと、1番悪いライが想定できる練習場所にバンカーを選んだわけです」(今野)
具体的な練習法は、バンカーショットのインパクトの瞬間に、右手を思いきって「はずすこと」(今野)。そうすると、クラブヘッドが勢いよく体の前に抜けていき、自然なスイングプレーンができるから、「下がどんな悪いライでも、ボールがクリーンに出せる」のだそうだ。
3日目の好スコアは、この練習を初日1時間以上も繰り返し、ものにした成果だ。
今大会では、今野の言う「チャックリ」に泣いた選手が多い。
16番まで7アンダー、通算2アンダーまでスコアを伸ばし、上位をおびやかしていた田中秀道の18番。
「9番アイアンか、ピッチングウェッジか迷って、ピッチングで打った第2打(残り148ヤード)は、ザックリ」(田中)してグリーンショート。精神的に、その “ザックリ”をひきずって寄せきれず、ダボフィニッシュに頭を抱え込んでいた。 こんな選手が、初日から続出している。
「初日のバンカー練習、効いてます」と今野。最終日は、なぜか半端な「3位狙い」でいくそうだ。
「優勝とか、2位狙いとか、欲をかくとぜったいに失敗する。
謙虚に3位狙いと照準を定めたら、きっといつか優勝が転がり込んできそうだから」と、のんびり笑っていた。