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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2012
谷原秀人は15ラウンド連続の・・・
「あとどれくらい続くか。それがいま、一番の楽しみです」と、プロ日本一決定戦で、谷原が自らの記録更新にも挑んでいる。
先週の5月5日は8ヶ月になる長男・悠人(ゆうと)くんの初節句。「みんなでお祝いしてきました」と、目尻が下がる。そのほか1週間のオープンウィークは、愛妻料理に存分に舌鼓み。もともと料理上手の妻・絢香さんは、スポーツ選手のための栄養学を学ぶ「アスリートフードマイスター」の資格を取って、ますます腕を上げてきた。
「何でも作ってくれる」と先週は、もっぱら一家団らんの時間に費やし「練習は1日しかしていない」。それでも、初日からこれだけのゴルフが出来る。
「今まではやっててもただ、痛いだけだったから」。
2年間、苦しんできた左肩痛が嘘のように消えたとたんに開幕から4位タイ、9位タイ、4位タイと好調が続いている。
原因が突き止められたのは、このオフだった。
お医者さんにあっけなく言われた。
「肋骨が動いてないね」。
痛みはそのためだ、と。
「動いていないから、呼吸が浅くなって、体も硬くなる」。
医師の指導で、電気を当てるなど、理学的な治療のほかに、正しい呼吸法を学ぶリハビリを続けてきた。
そして「やっと痛くなくなったのが、開幕の2週間前」。
今年は「もうダメかもしれない」と、一度は絶望しただけに、劇的な回復には表情も明るく、「今年はかなり良いところでやれると思う」と根っからのプラス思考も戻ってきた。
片山晋呉と賞金王を争って2位につけたのは、2006年。そのあとも2007年から2年連続の賞金ランキング4位。しかしそのあと、「スイングで、トップを取るのも難しくなった」と、あまりの肩の痛みに行く手を阻まれたが、一番の悪因が去れば、再びレースにも名乗りを上げる可能性は大いにある。
「常にこの位置で、戦い続けることが大事。残り3日も丁寧にプレーしていく」。自身初のプロ日本一の座をさっそく見据えた。