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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2012

伊澤利光は今季2戦目の予選通過

ツアー通算16勝。賞金王は2度。2001年のマスターズでは、当時日本人最高位となる4位タイに入った男が4月のつるやオープンに続く、今季2度目の予選通過を果たした。
2日目の第2ラウンドは、69で回って通算6アンダーは、20位タイで決勝ラウンド進出した。

上昇のきっかけは、先週の関西オープン。近頃、よく練習ラウンドを共にしていた兼本貴司が練習場で、遠慮がちに切り出した。「僕が言うのもなんなんですが」。2つ年下の後輩の言葉に「うんうん」と、耳を傾けるうちに不振脱却のヒントが見えてきた。

「兼本は、クラブがカットに入りすぎているし、アドレスももっと前傾したほうがいいですよ、と。それでシャロー目に入れるようにしたら、意外と俺にも打てるのかな、と」。
今までは、「トラブルショット以外は打ったことがなかった」というドローボール。
あのアーノルド・パーマ−にも絶賛されたパワーフェードを思い切って封印した。

「そしたら結果が出たのでね。本当に今回は兼本くんのおかげ。しばらく我慢して、やっていこうと思う」と、復活の糸口に、久しぶりに笑みがこぼれた。

今週のキャディは地元の有名ラーメン店「風靡(ふうび)」の三島繁文社長との息もぴったり。
また同組の細川和彦も「凄いよ、打てば入るという感じ」と絶賛したパッティング。
「春先には46インチあったのを、思いつくまま自分で3回切った」と、今は43インチまで縮まった中尺パターも冴え渡る。

神奈川県の出身だが2000年から福岡県の飯塚市に住まいを構え、“準地元”というべき今大会は2000年と2005年のチャンピオン。
しかし、2002年に生まれた長男の丈一郎くんは、特に当時3歳だった2005年にはウィニングボールをその手に握らせてもらったことすらも、まったく覚えておらずに当時のVTRを見せても戦う父をして「これ誰?」と、真顔で聞かれる始末だ。
夏休みの最終週となる今週は、4日間とも家族の声援を受けながらの戦いには、とりわけ子煩悩な父親には自然と気合いも入るはず。

兼本も「もともとものすごいポテンシャルを持っている人。本人が気づいたら、あとはいくらでも行ける」と、太鼓判を押した。
地元福岡のゴルフファンに、復活の兆しを印象づけたい。

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