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僕らのツアー選手権 / 多田野敬・宍戸国際GC代表取締役社長の選手権
2000年に創設された本大会が、新たに森ビルの特別協賛を授かることになったのは、第4回からだ。
同時に舞台も、同社グループの「宍戸国際ゴルフ倶楽部」が運営する宍戸ヒルズカントリークラブに移った。
「私たちにとって最初の年となる2003年に、伊澤利光プロが涙の復活優勝をされました」と懐かしく振り返るのは、多田野敬・宍戸国際GC代表取締役社長。
「優勝を決めた最後のパットが入った瞬間の、伊澤プロのガッツポーズは今でも鮮明に覚えています」。
宍戸で新たな歴史が始まる合図だった。
それから18年。
回を重ねるごとに、「ツアー選手権」は、地元笠間市の”年に一度のビッグイベント”として定着していった。
大会の付帯イベントとして、ジュニア競技の「スナッグゴルフ大会」もスタート。毎年、近隣小学校にスナッグゴルフ用具の寄贈や、プロによる指導を続けるなど、その育成にも貢献。
「18年連続で大会を続けて頂いていることで、地元では着実にゴルフを楽しむ文化が根付いて『する・みる・ささえる』の輪も広がり、ライフワークとしてゴルフを楽しむ方が増えています。大のゴルフ好きの私にとっては仲間が増えるようで、本当にうれしく思います」と、多田野社長。
「森ビルは、長期にわたる都市開発を得意としており、完成後も深くかかわり、時を経て、ますます魅力を増す都市作りを実践しております。『選手権』に対するスタンスも、まさに同じです」と、多田野社長はいう。
宍戸での初回から、ツアープレーヤーNO.1決定戦を行うにふさわしい舞台作りを目指して、コース改修を試みなかった年は、ただの1年もない。
また年々、期間中のイベントにも充実をはかり、ゴルフと地域の絆を深めてこられた。
「森ビルグループには『事業を通じて地域を元気にする』というビジョンがあり、『選手権』を単なるスポーツイベントと定義せずに大会を通じて地域の魅力を発信し、地域の人づくりにも貢献するなど、創意工夫を凝らしたトーナメントを目指しております」。
その姿勢に、妥協はいっさいなし。
「ツアープレーヤーNO.1を決める大会の長期支援をお約束している以上、大会名に『森ビルカップ』という文字が入るだけで満足するのではなく、大会を盛り上げるための準備や運営に、関係者一丸となって、本気で取り組んでおります」と、その言葉がどれも熱く、隅々に大会へのゆるぎない愛を感じる。
多田野社長にとって「ツアー選手権」とは……?
「一言で表現するのは難しいものがありますが、我々の誇りである。それが、一番しっくりくるかもしれません」。
東日本大震災が起きた2011年も「誇り」を胸に、力を合わせて未曽有の危機も切り抜けた。
18年の間には、さまざまなご苦労や困難があったと思うが多田野社長には「さまざまな問題を乗り越え、ゴルフファンの皆さまに、『選手権』の面白さや価値を、提供し続けてきた」という自負がある。
「それは、我々も含めた関係者のみなさま全員が、単なる仕事ではなく『誇り』を持って取り組んでこられたからこそ継続できているのだと思います」。
鉄壁の結束力も今年は、新型ウィルスの脅威には勝てなかった。
「2020年大会は、やむなく順延となってしまいましたが、2021年大会の成功に向け、引き続き誇りを持ってその準備にまい進してまいりたいと思います」(多田野社長)。
選手とJGTOスタッフ一同、多田野社長をはじめ、宍戸のみなさんのいつも心のこもったサポートに、改めて感謝申し上げます。
そしてこれからも、何卒宜しくお願い致します。