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初日の組合せ発表!!(13日)

今年、6回目を迎えた欧州VSアジアの対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」は、追悼大会でもある。両チームの出場メンバー全員の心には、常に偉大なあの人の存在がある。

セベ・バレステロス。今大会は、第1回の2006年から2年連続で欧州を率いて王冠をもたらした。不屈の闘将が、脳腫瘍に倒れたのは2008年。度重なる手術と闘病生活にも「私は諦めない。だから君たちも諦めるな」と、毎年メッセージを送り続けた。そのセベもついに、病いには勝てなかった。

昨年5月に、永遠に私たちの前から旅立った。
今年は欧米対決の伝統のライダーカップでも、欧州を優勝に導いたキャプテンのホセ・マリア・オラサバルは「セベのために勝つ」と、3連覇を宣言したが、その思いは、我らがアジアのキャプテンにとっても同じだ。

「セベはいつも私たちとともにいる」。
大会はいよいよ14日金曜日の本戦を控えてその前日に、開催国であるブルネイはエンパイアホテルのボールルーム「インデラ・カヤンガン」で行われた初日の組合せ発表会で、しみじみと語ったのは我れらがキャプテン、尾崎直道。

崖っぷちに追い込まれても、最後は1%しか望みがなくても、最後までその1%の可能性に賭けていたセベ。ネバーギブアップの精神こそが、まるで神業とも言われた奇跡の数々の原動力であったことは間違いない。

「今年は彼を失ってから初めての大会。ここにセベがいなくてとても寂しい」と直道は悲痛な叫びをあげたが同時に彼の精神は、確かにこの大会を通じて、みなの心に受け継がれていると、キャプテン・ジョーは信じる。

「彼は私たちと共にいる」と、直道は繰り返した。「今年は追悼の意味をこめて戦いたい」と力を込めた。
そのために、アジアは例年以上にベストメンバーを揃えてきた。

確かに欧州は、「パワーもある。技術も最高」。それでも、今年はいつも頭を悩ますペアリングも、頼もしい相棒を得て、例年以上に冒険が出来そうだ。直道がアシスタントキャプテンに指名した中国の梁津萬 (リャンウェンチョン)とともに、日々対話を深めながら、特に初日と2日目のダブルス戦では、最高のマッチを完成させるつもりだ。

初日は、2人の選手が1つのボールを交互に打つという、ただでさえ難解なゲーム方式に加えて正午から2時間は、ブルネイ国王の命令で、一切の活動が禁止されている。敬虔なイスラム教徒が静かに祈りをささげる時間に合わせてゲームも一時中断される。

その間の過ごし方もまた、メンバーたちに課せられた大きな課題だが、最年少メンバーの心意気が直道には何よりも頼もしい。

裵相文 (ベサンムン)とともに、さっそく初日から強豪と当たることになった石川遼。
「ステンソンは強い選手だけれど、勝つのは難しいけれど、それでも僕たちは、勝つためにここに来ている。フォアサムというゲーム方式にも苦手意識はないし、むしろ初日もサンムンと一緒に最後まで、前を向いてやっていきたい」。
それこそが、セベが人生を賭けて貫いたゴルフでもある。

<14日の初日・フォアサムの組合せとスタート時間>

エドアルド・モリナリ&フランチェスコ・モリナリ 9:00 呉阿順&藤本佳則
マルチェル・ジーム&ニコラス・コルサールツ 9:10 キラデク・アフィバーンラト&ジーブ・ミルカ・シン
ヘンリク・ステンソン&ゴンサロ・フェルナンデス・カスタノ 9:20 裵相文&石川遼
ホセマリア・オラサバル&ミゲル・エンジェル・ヒメネス 9:30 金庚泰&Y・E・ヤン

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