記事
つるやオープンゴルフトーナメント 2005
神山隆志「負けた試合から、多くのことを学んだ」
会場のミッションヒルズゴルフクラブがある中国・深センから車で香港に入り、香港空港からそれぞれの帰途についたのだが、そのうちの数人は自宅に戻らず、関西国際空港に飛んだ。
そのまま、今週のトーナメント『つるやオープン』の会場、山の原ゴルフクラブ(兵庫)に向かうためだ。
今回、初の代表入りを果たした神山隆志もそのひとり。いちど帰宅し、荷物を詰めなおして改めて出直すこともできたが、「そうなると、気持ちが萎えてしまいそうな気がしたから」。今回のチーム戦で感じた高揚感のまま、会場入りする。
VISAダイナスティカップでは、これまでのゴルフ人生にないほどの悔しさを経験した。
開幕するまでは絶好調だったのに、いざ本番でチーム戦のプレッシャーに、思うようなゴルフができない。
片山とペアを組んだ初日、2日目のマッチプレーではスイングしていても、重圧からクラブを振っている感覚がしない。
それでも、「シンゴに迷惑をかけたくない」という思いから、ますますミスを重ねた。
「精神的なコントロールができなかった」。
不甲斐なさから熟睡もできず、歯軋りしながら眠れない夜を過ごした。こんな経験は、初めてのことだった。
「この悔しさは、当分忘れられそうにない」と、神山はいう。
その一方で、チーム戦の醍醐味も味わった。
神山は片山の、片山は神山の1打1打の成功を心から祈り、思いやる。その気持ちが、ひいてはチーム全体の団結力につながっていく。チームがひとつになる瞬間。
「普段のトーナメントでは他の選手のプレーを真剣に応援することなんか、ありえないでしょう? あの感覚はなんともいえなかったですね。なぜ世界のトッププレーヤーたちがライダーカップに出たがるのか、分かったような気がしました」。
残念ながら、チームは2連敗を食らったが、「負けた試合から、多くのことを学ぶというのは本当だと思った」と神山。
この思いを、今週から本格的に始まるシーズンに、ぶつけるつもりだ。