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石川遼が来季のシード権をほぼ手中に

昨年5月のマンシングウェアオープンKSBカップの優勝で得たシード権は2009年まで。それでなくとも来季の出場権を保持しているとはいえ、賞金ランキングで得たそれとはまるで意味合いが違う。
複数年のシード権を持つベテラン選手でさえこだわる「賞金シード」は、プロとしてのプライド。

せっかく初シード入りを果たしても、あっさりと1年で手放してしまう選手もいる。
毎年、安定して好調を維持することの難しさがそこにある。

16歳が、シーズンなかばにしてそれをみごとにクリア。
先週のフジサンケイクラシックで獲得賞金を1519万166円にして、ランクは堂々の35位につけて「今年は(賞金ランクによるシード権の確保は)無理と思っていたので、予想外です。1打の差がどれだけ大きいか、分かってきました」。

最終日はスタートの1番でボギー。7番でダブルボギーと苦しみながら、執念で盛り返した。
15番からの3連続バーディは「気持ちで取ったようなもの」と、振り返る。

これで4日間20バーディはその日の朝、レストランで新聞を読んでいた矢野東が、石川の記事を見ながら「この子いったい、いくつバーディ取ってんだ?」と、驚嘆したほど。

「最後まで気持ちを強く持ってプレーした。プロになって、1つでも上の順位で終わるこだわりが強くなった」と、本人も充実感をにじませた。

17位タイフィニッシュは、史上最年少優勝後のツアー第1戦となった昨年大会の15位よりやや順位を下げたとはいえ「いいところだけが出た去年とは内容が違う。悪いところも出て、この順位は自信になる」。
同じ舞台で成長のあとをしっかりと示してみせた。

来週17日水曜日に、17歳の誕生日を迎える石川は、16歳最後のツアーをひとまず納得いく形で締めくくると、さらに前を向いた。

1週間のオープンウィークを経て、次のANAオープンからツアーは怒濤の12連戦を迎えるが、「全試合出場したい。やれるところまでやりたい」。

ロングランの“初戦”はプロ転向の今年、スポンサー契約を結んだホスト試合だ。

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