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平塚哲二もサンタに

ツアーきっての酒豪は今季、9月の「アジアパシフィック パナソニックオープン」で“チャック全開V”。最終日の1番ティに、社会の窓を閉め忘れたまま立ち、大爆笑の日本ツアー通算6勝目を飾るなど、普段はコテコテの関西人も、この日ばかりはしんみりと語った。

12月22日と24日の2日間をかけて、所属先の滋賀県・甲賀カントリー倶楽部で開催した恒例の「チャリティコンペ」。参加者280人を前にして、締めの挨拶で珍しく大マジメに言ったことは、「これからもプロゴルファーとして、誰かを勇気づけられるプレーがしたい」。

今年は未曾有の大災害が日本を襲った。毎年、クリスマスの恒例行事ではあったが6月に、きゅうきょ回数を増やして予定を返上。復興チャリティコンペを開いた。

だから、今年はこれですでに2回目。今回は、仲良しの矢野東も助っ人に駆けつけ、行われたラウンド後のチャリティオークション。集まった義援金は、自らのポケットマネーを足して170万6000円。
報知新聞社社会福祉事業団を通じて被災地に送られる。「ゴルフを通じて、人々とつながれる。誰かの役に立つことが出来る」。これこそが、鉄の男の原動力。

40歳を迎えてなお、今年も日本とアジアンツアーの掛け持ち参戦で世界中を飛び回り、各トーナメントの賞金総額の一部が被災地の復興支援にあてられる日本ツアーでは、賞金ランキング9位に。

そしてアジアは2位に。
初の賞金王まであと一歩だった。
本人もその気満々で、最終戦「タイゴルフ選手権」を迎えるはずだった。
誤算は11月のバークレイズ・シンガポールオープン。賞金総額600万ドルのビッグイベントで、フィリピンのジュビック・パグンサンが2位に。これで大きく水をあけられた。目標を切り替えて「せめて何がなんでも(賞金)2位狙い」と、そこの有言実行には満足しているが、キング獲りは来季の課題に持ち越された。
「・・・いやあ、それは無理ですわ」と、口ではいつもの関西弁ではぐらかしたが、そうでなくては勝負師の腹も、おさまるはずがない。
2012年も世のため人のため。そして、何より自身の栄光をかけて。“鉄人”が世界中を飛び回る。

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