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日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2005
デービッド・スメイルが単独首位
ここでは何よりもまず、安定したティショットと“ポーカーフェイス”が武器になる。
「こういった難しいコースでは、どうしてもメンタル面に左右されがちですが、あまり気持ちに波を立てないのが僕のプレースタイル。だからけっこう相性が、いいかもしれないですね」と、いって浮かべた穏やかな笑みとは裏腹に、気持ちは熱く燃えている。
先々週の全米オープンでメジャー初制覇。ニュージーランドのマイケル・キャンベルとは、ワールドカップで何度もチームを組み、オフには必ず一度は会って、一緒に練習する仲だ。
そんな大親友の快進撃に、興奮しないわけがない。
朗報は、成田空港で聞いた。
その週はちょうど里帰りしていたときで、最終日はキャンベルが、一歩リードした9番ホールまで中継を見てから、日本行きのエア・ニュージーランドに飛び乗った。
着陸するなり、「キャンベルが勝ったよ」と知らせてくれたのは、その飛行機を操縦していた機長だった。
「聞いた瞬間は、ほんとにものすごく嬉しかったし、その翌週のミズノオープンで頑張れたのも、キャンベルの活躍があったからこそだと思うんだ」。
その直後に全英オープンの出場権がかかった日本予選の最終戦でプレーオフの末に2位に入り、自身1年ぶり3度目のメジャー切符を手に入れた。
その勢いを駆って今週の宍戸入り。
「今度こそ勝ちたい、という思いでここに来ました」と、スメイル。
昨年、母国ツアーで最優秀選手に選ばれて、表彰を受けた。それまでは毎年、キャンベルが常連だったが、そのライバルをおさえて初の受賞だった。
「今年もぜひ獲りたいなあ。・・・今度の全英オープンで勝てば、またもらえるかな?」と、言っておどけたが、まんざら冗談でもない。
親友がやりとげたのだから、自分にも出来るという勇気が、芽生え始めている。
大舞台への出発直前。
この大会でツアー通算4勝目と、優勝賞金2400万円と、5年間のシード権と、世界ゴルフ選手権NECインビテーショナルの出場権をひっさげて、大親友とセントアンドリュースで再会したい。