ツアー通算６勝目のチャンスもそうだが、今はより気になるのがシード権の確保のこと。プロ17年目を迎えたベテランが、今年はまだこの時期に1300万円ほどしか稼げておらずに、15年守ってきた賞金シードも守りきれるかどうかの瀬戸際にある。

「今年は、ずっとパットが悪くて･･･。悩んでいました」。距離感もつかめず、思い通りのストロークも出来ずに苦しんで来たそうだが、シーズンもそろそろ残り試合が少なくなってきて、ようやく感覚が戻ってきたという。

「今日は、グリーンの奥に打ち込んだ14番で、危うくパーを拾ったり、13番ではフェアウェイからダフったりもしたんですけど」と、照れ笑いで「でも、うまくしのげた」と、優勝争いに加わった。

愛用のバッグにつけているキーホルダーは「くまモン」。熊本県で生まれた大人気のゆるキャラは、以前はヘッドカバーも使っていた。まだくまモンがブレークする３年ほど前に、知り合いの女子プロにもらったそうだ。

「僕に似てるって言って、贈ってくれたんだけど･･･。似てないよね！？　僕はあんなに太っていないし」と、いつも冷静な選手が少し気色ばんだが、ぱっちりお目々にりりしい眉は、そういえばちょっと似ているような･･･。「本当に？！」。
このままツアー通算６勝目なら、43歳にしてくまモンのそっくりさんとして日本でブレークするかも？！
「いえいえ･･･。今はまだ優勝とか考えません。ただ、目の前の１打１打に集中するだけ」。青い目のくまモンが、マイペースを決め込む。

• Ｄ・スメイル