記事
キヤノンオープン 2012
今季好調の上平栄道(うえひらまさみち)は「勘違いし出したかも?!」
何度目かのV争いも、再三チャンスを逃して「反省ばかり」と、本人には悔しさのほうが勝るのは当然だが、それでも周囲には「調子がいいね〜、と言われて。ああ、そうか、自分は調子がいいのかと思うと、気持ちも勝手に上がってくる。なんで調子が良いのかは、自分では分からないけれど、周りに言われて勘違いし出したのかもしれない」と笑う。
周囲の評価との相乗効果で、ますますと自信も高まる。
ツアー初Vをつかむための方策もなんとなくだが見えてきた。
「凡ミスですね」と、この日もOKバーディを奪った15番からそのあと立て続けに6メートルと、5メートルのチャンスを沈めた一方で、9番ではわずか50センチのパーパットを外した。
「6メートルを入れた人間が、なんでそんな短いのを外すのか。そういうもったいないのをなくしていけば、自ずと結果は出るのかな」。
それと、あとは「守りに入るばかりではなく、もう少し攻めの気持ちで」と、経験を糧に徐々に殻を破りつつある。
今季はすでに獲得賞金が4600万円(ランクは9位)を越えて、あと500万円ほど上乗せれば2002年のデビューから、昨年までかけて稼いだ生涯獲得賞金を、たった1年足らずで上回る勢いだ。
「間違いなく、今が一番良い状態」と、本人の確信とともに、周囲もそろそろ騒がしくなってきた。
初Vを願う声も、徐々に高まってきているが、「そういうのには、あまり左右されないように。聞かないように」と雑音には耳をふさいで、我が道を行く。