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石川遼 『スタートホールで頭が真っ白に・・・』

夢にまで見た同組でのラウンド―― 1番ホールに向かう石川の顔は間違いなく強張って(こわばって)いた。当然である。世界ランキング1位の憧れの選手とのラウンド、メジャー大会の初日、ティグランドだけでなく1番ホールを取り囲む大ギャラリー・・・。緊張しないわけがない。
「スタートティに入った瞬間、頭が真っ白になって足が震えた。自分の名前がコールされて、ティーにボールを乗せる手が震えていた。」
ティーショットを終え、フェアウェイに向かって歩き始めた石川の肩をキャディのリーさんに“ポンポン”っと叩かれ、ようやく顔の強張りが取れ、柔らかい表情になった。

「緊張したのは1番ホールだけ。1番ホールを上手くパーで凌げて、次の2番ホールでバーディを取れたのが大きかった。」
前半を3バーディ、3ボギーで折り返し、キーポイントにあげていたバックナインを2バーディ、ノーボギーとし、初日を2アンダーで終えた。
「タイガー、リー・ウェストウッドはやっぱりスゴイ。ティーショットが曲がっても、完璧なリカバリーをしてパーを拾っていた。自分1人だけゴルフのレベルが違って、“蚊帳の外”って感じで、格が違うと思ったけど、そんな中でも落ち着いてプレーすることが出来ましたね。」

12番ホールでT・ウッズから「今年の日本のツアーで優勝したんだろ?おめでとう!」と祝福され、「タイガーがこんなに近くにいて、自分が会話をしていることが不思議だった。でもその状況を客観的に見ることが出来ていて、会話をしていても落ち着いていた。」

今日はキャディのリーさんとの意見がとてもマッチしていて、意見が分かれたのは6番ホール(結果はパー)の1度だけ。これがアンダーパーでまわれた要因かもしれない。
今日のラウンドは何点?との質問を受けると、「100点ではないけど・・・90点以上はあげられると思う。ドライバーの大曲がりもなかったですから。ただ、ドライバーでティーショットする時に、もっと気持ちを前に出して、アグレッシブに行く必要がある。」

同組の2人とまわった感想を聞かれ、「ドライバー、アイアン、パッティングと常にスムーズに、リズム良く入ることが出来た。2人とはテンポが合っていた。」

石川は今日の初日を迎えるまでに、このコースを5ラウンドしているが、密かに“このコースは自分に合っているのでは?”と思っていたという。
「手応えは無くはない。予選通過はリズム次第ですね。」

明日は現地時間の14:20(日本時間17日22:20)にスタート。
リズム良いゴルフを展開してもらいたい。

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