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額賀辰徳がドライビングディスタンス賞とイーグル率賞を獲得

プロコーチの植村啓太さん(右)とつかんだ初シードと2冠!! 表彰式の会場で、来季も二人三脚でさらなる飛躍を誓った
最大の武器を、最大限に生かした。額賀辰徳が飛ばして獲る、豪快プレーを知らしめた。今年は10月に入ってから2度のトップ10入りで念願の初シード入りを決定づけたが それから残りの終盤戦は、薄氷を踏む思い。

序盤から首位を守ってきたドライビングディスタンス。
だが、ティショットに安定性を欠いた11月の三井住友VISA太平洋マスターズでは最終日の12番で、なんと197ヤードの低空飛行で一転、受賞の危機に。

それでも、自身の最終戦となったカシオワールドオープンで盛り返した。4日間平均313.88ヤードを記録して、ランク1位に。年間を通じても、平均302.79ヤードは1位を守り、「これでようやくメーカーにも少し恩返しが出来た」と、胸をなで下ろした。

そしてイーグル率賞は、あとはもう、指をくわえて結果を見ているしかすべがなかった。
額賀には出場権のないツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、同ランクはトップタイにつけていた石川遼が、4日間でひとつでもイーグルを奪えば、額賀は逆転される。

逆に実現しなければ、額賀が単独トップに躍り出る。
その事実は本人も承知していたが、「いずれにせよ、もう僕にはどうにも出来ない。テレビを見ているしかなかった自分が歯がゆかった」と、振り返る。

それだけに、ダブル受賞の喜びはひとしおだった。

「平ら、無風」のコンディションで、自己最高記録は360ヤード。
「飛ばしの秘訣は、トレーニング。中でも関節を限界まで広げた状態で負荷をかけたり、捻りを効かせた運動が有効です」と、その秘訣を明かす。

磨きに磨きをかけてきた自慢の飛距離をきちんと結果に結びつけたのが、今季特に力を入れてきたショートゲームだ。
やはり飛ばし屋の小田孔明に言われたのはシーズン中盤。
「お前も飛ぶんだから。それを生かすにはショートアイアン」。
飛距離だけでなく、小技も得意なツアー3勝の先輩の言葉は重かった。

すぐに100ヤード前後の練習を増やすと、チャンスにつく回数も格段に増えた。
技術の向上は、すぐに自信にもつながった。

象徴的だったのが、10月のマイナビABCチャンピオンシップだ。
大雨の中、最終日の最終ホールでティショットは350ヤードをぶっ放し、残り171ヤードの第2打を7番アイアンで4メートルにつけた。

このイーグルが、初シード入りを決定づけたといっても過言ではなかった。
自己最高の5位賞金は600万円を加えてこの時点で獲得賞金は1300万円を超えた。
加えて、飛ばし屋とイーグル王の称号は、「飛距離が多少でも武器になっているという証明」という確かな手応えとともに、堂々とトッププレーヤーの仲間入りを果たした。

中央学院大時代から、数々のアマタイトルを総なめにして2006年にツアーデビュー。
身長183センチの大型プレーヤーは、しかし周囲の期待に反して伸び悩んだ。
あれから4年。出場権すら持たない苦しい時期を経て、ようやく表舞台に出てきた。

世代交代の一翼を担う25歳は次なる野望に「ツアー初優勝」を掲げるとともに、「あとは、もっと飛距離を伸ばしたい。短所とともに、長所も伸ばしていきたい」。

額賀と最後までイーグル率勝を争った石川も、「来年はドライビングディスタンス賞で1位を獲りたい」と、息つく間もなく“打倒・額賀”を宣言しているだけに、のんびりしている暇はない。

※イーグル率賞を獲得した額賀辰徳には社団法人 日本ゴルフツアー機構より記念のトロフィと、副賞として、銀座審美堂さまより『銀座審美堂プラチナダイヤモンドピンブローチ』が贈られました。

また、ドライビングディスタンス賞には同様にトロフィと、全日本空輸株式会社さまより『ANA国内線 任意ー区間ペア往復航空券』が贈られました。

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