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関西オープンゴルフ選手権競技 2010

細川和彦がコース新の62、3位浮上

リーダーに負けじと、元祖・夏男が気を吐いた。コースレコードを、43年ぶりに塗り替える62に「細川“夏男(なつお)”になっちゃった」。この日はいわゆる“裏街道”のインスタートは、出だしから気炎をあげた。

10番は209ヤードの第2打を、3番アイアンで10メートルに乗せてイーグルを奪って、まずはうだる暑さも吹き飛ばす。
続く11番から6つのバーディは、ピンチらしいピンチもなく、単独3位に浮上した。

同じ最終日最終組で迎える首位の谷口のツアー通算2勝が、いずれも8月のトーナメントなら、細川は通算8勝のうち、半分が真夏の大会。またほかの3試合も7月とか9月の試合。
「暑いのは大変だし汗をかくけど、体は動くし、ボールは飛ぶし」。
“元祖・夏男”たるゆえんだ。

2001年秋からつきあっている難病指定の潰瘍性大腸炎は、いまも朝晩の投薬が欠かせないが、その症状は「夏のほうが安定しているから」。

一昨年の10月からタバコもやめた。
あれは忘れもしない、10月のブリヂストンオープンだ。2日目のハーフターンであんパンとバナナを食べたあとに、火をつけたら「葉っぱくさくて」。
以来、一度もくわえていない。
「やめても太りもしなかったし、オフのトレーニングも楽に感じて」。
いまは、体調もすごぶる良い。

先週まで2週間のオープンウィークは、スピリチュアルな世界に身を浸してリフレッシュ。知人に今年、自宅の茨城県から向かって北西はゲンがいいとアドバイスを受けた長野県は、善光寺に今年2度目のお詣りに。

「言っちゃうと、御利益がなくならない?」と笑いながら、「とりあえず1年の無事と優勝を・・・」と、照れ笑いで明かした。

現在、賞金ランクトップを走る40歳の藤田寛之は1つ年上。7月に4年ぶりの復活Vを達成した小山内護や、通算2勝目をあげた兼本貴司ら、「40歳前後が頑張っている。一緒に乗って行きたい」と、同級生の活躍も励みだ。

会心のスコアで上がってくるなり、スコア提出場でスタッフに早々と言われた。「明日は、表彰式の出席をお願いします」。
このまま抜かれなければ、田辺カントリー倶楽部から、コース新の賞金10万円が贈られるが、どうせ参列するならば、ダブル受賞と行きたいところだ。
「優勝トロフィと一緒に頂ければいい」と、本人もその気満々だ。


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