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韓国が連覇を達成(ミリオンヤードカップ最終日)
代表10人のうち、ジャパンゴルフツアーのメンバーが6人。しかも最年長のI・J・ジャンは7年目、S・K・ホはすでに参戦11年目を迎えて、日本のコースにも精通している。
また、メンバーではない選手の全員が、口を揃えて言ったことは「日本は本当に素晴らしい」。
まずひとつ、開催コースのパサージュ琴海アイランドゴルフクラブの「コースセッティングは最高です」。
特にうねったグリーンは「やりがいがある」と、韓国勢の好プレーを引き出した。
そして毎日、ティグラウンドをぐるりと埋め尽くしたギャラリーは、韓国の選手を同じように大きな拍手で迎え、好プレーにも惜しみない拍手でねぎらってくれた。
「どれも韓国ツアーでは、考えられないこと。プレーしていて本当に凄く楽しい!」。
どの選手も嬉々としてティグラウンドに立ち、意気揚々と勝ち点を持ち帰った。
開催週は、すでに火曜日から全員、コースに集結して連日のように、決起集会を開いた。もともと笑いの絶えないチームワークは日に日に強固に、最終日にはもはや確かな絆でがっちりとつながり合った。
今年は賞金はない。栄誉だけ。だから曺泰雲(チョテウン)キャプテンが、しいて決めたという2人のMVPにも、何も副賞は出ない。
「洪淳祥(ホンスンサン)は7番で7メートルのバーディを決めて私を安心させてくれたこと。またH・W・リュー(リューヒュヌ)は、勝利を確定させてくれたので。あえて言うならこの2人に」と、最終日のシングルスストロークプレーでも、勝ち点を持ち帰った2選手はもちろん、「本来ならば全員に、最優秀選手賞をあげたいくらいです」と曺(チョ)キャプテンが言ったとき、賞金はなくとも“シャンパンファイト”でびしょ濡れの、メンバー10人の背筋が誇らしげにス・・・っと伸びた。
優勝会見で、S・K・ホが明かした。
開催目前に、韓国チームのメンバーが決定したときだ。
「実は、あるスポーツ紙に『今年は歯抜けのチームだ』と、書かれたんです」。
確かに、今年は金庚泰 (キムキョンテ)も裵相文 (ベサンムン)も、Y・E・ヤンも出ていない。
「米ツアーの選手たちが、揃って出場していないことについて、そう表現したようですが、当然のことながら僕らは良い思いをしなかったし、これで負けてしまったら、その通りだということになってしまう」。
そんな一件が、なおさら全員の連覇への決意を強くしたことをS・K・ホは明かしたが、逆の意味で言えばそれこそが、韓国メディアの思うツボだったと言えるかもしれない。