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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ 2010

暫定2位の津曲泰弦(つまがりたいげん)は大好きな北海道で

朝から降りしきる小雨はほとんど真横に流れていく。飛ばし屋の津曲でさえ、「空気が重い。距離が稼げない」と嘆く難コンディション。

それでも、「ジャンボさんの前で、変なゴルフは出来ない」と、同組の尾崎将司の存在を良い緊張感にして、耐えに耐えた。

スタート前の練習を、あえて「ろくにしないで」コースに出ていったのも良かった。
「これだけ難しいと、余計なことを考えてしまうんで。行くとこ勝負でいきました」。
2アンダーは暫定2位タイスタートに、「上出来でしょう」と、久しぶりに笑顔を見せた。

シード2年目だが、まだ未勝利。複数年シードを持たない選手にとっては、まずは一番そこが気になる。
誰もが思う。優勝とかよりも、何よりも「まずは早めにシードを決めてしまいたい」。
津曲も例外なく、シーズンは開幕から「そのことしか考えられなくて、焦っていた」という。

そのせいで、「気持ちの切り替えが出来ない。気持ちの問題だと思うのですが」。
シーズンも半ばにして、いまだ予選通過が1回。
初日に83を叩いた大会もあって、まったく精彩を欠いていた。
焦燥感に拍車がかかるばかりだった。

そんな嫌な流れを断ち切るには、今週は絶好の機会だ。
昨年は今大会で5位タイ。さらに翌週のサン・クロレラ クラシックで4位タイ。
もっとさかのぼって、一昨年は今大会で3位タイにつけて、初シード獲りへの大きな足がかりとした。

北海道のコースとの相性は抜群だ。
スイングが、寒冷地特有の洋芝と合うのだろう。
広々としたレイアウトは、「コースの雰囲気も大好きなんです」。
そして、夜のお楽しみは食事だ。
道内でいつもひいきにしているホテルの最上階に、お気に入りの料亭がある。
毎日練習のあと、仲間とわいわいと美味しいものを囲んでいると、「嫌なこともみんな忘れられる」。課題の気持ちの切り替えも、北の大地でなら特に意識せずともすんなりと出来る。

「この流れが続いてくれれば、いいんですが。まあ、まだ初日ですから」。
2日目以降も、気負わずに行く。

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