記事
平均ストロークと平均パットとバーディ率……石川遼がもっともこだわったのは?!
中でもそれ以上にこだわりをみせた賞がある。石川が2009年の開幕前に、一番の目標として掲げたのは賞金王でも、ツアー優勝でもなかった。それは「バーディ率で、4.00台を出すこと」。
1ラウンドにつき、バーディ以上のスコアを奪うホールがいくつあるかを示すその“数字”は石川が、史上最年少の15歳でツアー初優勝を挙げる前から、目標にしてきたことでもあった。
16歳で、プロ転向を果たしたあとも、折りに触れて言ってきた。
「1日に4つバーディを獲りたい」。
それを、年間を通じて達成することを、胸に誓った今シーズンでもあった。
それだけに、ジャンボ尾崎も「今年はバーディ数が異常に多く、18歳の若さを超越した攻撃性をショートゲームに磨きをかけて、いかにチャンスにつけるゴルフが出来ていたかと言えるだろう」と驚嘆したように、昨年の2位の3.83を大きく更新して4.42でランク1位に輝いたことが、何にもまして嬉しい。
今年国内は22試合に出場して、予選落ちはわずかに2つ。
特に、海外遠征を挟んで17連戦をこなした後半戦ではすべて決勝ラウンドに進出していることも、記録を後押しした。
こなした全84ラウンドは、「上位には行けなかった試合でも、バーディを獲っていくことをひとつの目標に頑張った。1ホールも気の抜けたプレーはなかった」と、数にして356個のバーディに胸を張る。
さらに来年は、「4日間のうち2日間で4つ、2日間で5個獲る」と、やはりバーディ率をますます伸ばして「4.5」以上を目指す。
平均ストロークや平均パット、また今年は僅差で取り逃がしたイーグル率をも視野に入れ、そして最後はやっぱりこれだ。
「1ヤードでも、2ヤードでも飛距離を伸ばしたい」。
今年は平均292.37ヤードでランク9位のドライビングディスタンスでも、さらなる上位を目指す。
今年も試行錯誤を続ける中で、フック球が止まらなくなる時期を何度か経験したが、それでもひるまずにドライバーで攻め続けた。
「そういう時期を乗り越えていくごとに、飛距離が伸びていった気がするので」と、すべてはマスターズ優勝という壮大な夢実現に向けて、見据えた視線は寸分のブレもない。
「努力の量だけは、今年以上を目指したい」。
部門別で最多の9冠も、石川にとっては通過点でしかない。
※平均ストローク賞を受賞した石川遼には社団法人日本ゴルフツアー機構より記念のトロフィと、副賞としてANAインターコンチネンタルホテル 東京さまより『スウィートルームペア宿泊券』が贈られました。
また、平均パット賞には記念のトロフィと、副賞として株式会社東洋丹芝園さまより『最強のサプリメント楊貴芝1年分』が贈られました。
そしてバーディ率賞には記念のトロフィと、副賞として株式会社 東急リゾートサービスさまより『ホテルハーヴェスト 1泊2食付き ペア宿泊券』が贈られました。