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ANAオープンゴルフトーナメント 2013
これがデビュー戦の嘉数光倫(かかずてるみち)が7位タイで決勝進出【インタビュー動画】
難条件のスタートは、1番でボギーを打った。ティショットを左に曲げて、深いラフから出すので精一杯。しょっぱなからピンチも、沖縄生まれはなんくるないさで「気落ちすることもない」と、気丈に盛り返せるのはゴルフの手ほどきを受けた、お父さんの教えが染みついているから。
名護市でゴルフアカデミーを主宰する森勇(しんゆう)さんは、女子プロの諸見里しのぶさんや、比嘉真美子さんの元コーチでそんな父親に良く言われるのは「何事も気持ちの持ちようということ。たとえばバスケットやサッカーは、対戦相手に邪魔されたりするけれど。ゴルフは打つときに周りが止まってくれたり、甘いスポーツ。だからちょっとやそっとで動じるな、と」。
父親に培われたさすがの強心臓も、この日一番緊張した瞬間は、ホールアウト後の練習場だった。沖縄が生んだ珠玉の兄弟。「聖志さんと優作さんに挨拶しに行った時。宮里選手がお2人一緒のときに、僕も沖縄なんですと、話しかけたときのほうが、プレーのときよりよっぽど緊張した」と、からからと笑った。
プロ宣言から2年目の今年。今月6日に行われた北海道オープンでプロ初戦の初Vを飾り、このANAオープンで、ツアーデビューの機会を得た。藤本佳則や薗田峻輔、小平智らと同期は東海大の九州校時代に、大学の対抗戦で松山英樹と戦った経験も。
「彼はすでに、あのときからスターで。学生の試合にもテレビが来るのかと、驚いた」ほど。この日は練習場で、その松山から「お久しぶりです」と、声をかけられ覚えていてくれたんだ、と驚いた。「あなたの活躍は、いつも見ていますよ」と後輩に羨望の眼差しで「彼はすでに日本のトップ。自分も上を目指す者として、ついていきたいという気持ちは強い」。輪厚での再会を契機に、その背中を見失わずに追いかけていく。