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ANAオープンゴルフトーナメント 2013
輪厚の森でまたひとつ増えた一生の思い出、キッズエスコート
そんなはずはない。
待ちに待ったこの瞬間。「でも緊張しすぎちゃって・・・」。
体がこわばってしまって一瞬、思うように動かなかったとあとから恥ずかしそうに打ち明けたのは、地元北海道の北広島市立西部小学校は5年生の、寺島あいらさん。
前日21日土曜日に、札幌北広島ゴルフ倶楽部で行われた「第5回北広島スナッグゴルフ大会札幌北広島GCカップ」に参加したお友達たちと、翌日のこの日22日は日曜日に、ANAオープンの1番ティで、今からまさにスタートしていく選手と手と手をつないで、ティーインググラウンドに入場する“キッズエスコート”の一場面。
松山英樹と一緒に晴れ舞台に立つことになった寺島さん。
いま日本でもっとも強い21歳のお兄さんは、この日はスタートアナウンスで「世界で活躍する侍ゴルファー」と紹介された。
世界を股にかけてバッサバッサと飛ぶ鳥を落とす勢いも、コースで見せる剛胆なプレーとは裏腹に、改めて手をつなぎ直して「いま何歳?」と尋ねる声は優しさに満ちていて、寺島さんはやっと落ち着いて、答えることが出来た。
「今年、11歳になります!」。「そっか〜」と、笑いかけてくれた顔のまた優しかったこと!!
もはや大会の恒例行事はあこがれの選手と、子どもたちの心をつなぐ架け橋だ。
昨年は、藤田寛之と手をつないだ千葉蒼太くん(西部小3年)。昨年は、その日に藤田が今季3勝目を飾ったというニュースが舞い込んできて、なんだか千葉くんも誇らしい思いがした。
昨年の最終日は、ちょうど千葉くんの8歳のお誕生日とも重なって、二重の喜びを味わったものだ。
この日は、輪厚で1年ぶりの再会を果たして、1年越しに去年のお祝いも出来た。「去年は一緒に手をつないだんです!」と言う千葉くんの手を、改めて握り返してくれたディフェンディングチャンピオン。
「嬉しかったあ・・・!!」。
子どもたちには輪厚でまたひとつ、一生の思い出が増えた。