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6回大会は感動の初日・・・!(ザ・レジェンド・プロアマチャリティトーナメント)
17日土曜日の開幕直前に、大会発起人で実行委員の青木功がシニアツアーで左足を負傷した。大事なこのチャリティトーナメントも出場はおろか、初日は王貞治氏と日野皓正氏とつとめる恒例の“名誉スターター”も諦めるしかなく、それでも青木の心中は参加者やファンをがっかりさせてしまうと、胸も張り裂けんばかりだった。
苦渋の思いはついに、世界のアオキにペンを取らせた。
「出場が厳しくなった時点で俺がジャンボに手紙を書いたんだ」と青木は言う。
欠場の理由を丁寧にしたため、「だから代わりに出場してくれないか、と。よろしくおねがいします、とね」。
若いころから、互いに牙を剥きだし、真剣勝負を繰り広げてきたライバル同士。絶対にあいつには負けたくない・・・。互いにそんな思いで心をメラメラと燃やし続けてきたからこそ、2人してゴルフ界に一時代を築き、これだけの伝説を残してこられた。そんな強烈な対抗心とともに、ひそかに育まれてきた友情。しかし、若いころには相手に頭を下げるなんて、もってのほかだった。
そんな無二のライバルに、頭を下げたのだ。
「俺自身はジャンボとね、ライバルと一言で片付けるような説明はいらないような気がする。説明すればするほど、2人のことが崩れていくような気がする。それ以上、みなさんに言っても言えば言うほど崩れてしまうような気がする。今日という日が俺は待ち遠しかったし、ジャンボに引き受けてもらったという嬉しさもある」。
てらいのない感謝の言葉。王氏と日野氏とともに、コースから引き上げてきたジャンボを青木は最敬礼で迎えたという。
「いや、久しぶりに楽しかった。自分の人生の中で、素直に人の話が聞けるのは、王さんと長嶋さんしかいないのでね。今日は昔の話とか、技術論とか、本当にいろいろ話して本当によかった」と応えたジャンボに、青木は「ジャンボが出てくれただけで、ギャラリーには数倍楽しんでもらえたと思う。本当にありがとう」。
ライバルからの心からの謝辞にジャンボも小さく「・・・ありがとう」。
開催直前にジャンボの出場を知らされたという王さんも「まさか、ジャンボさんが来てくれるとは。青木さんの誠意が伝わった」と、感動しきりで、実に40余年ぶりという“直接対決”も「ジャンボさんと、もう1回こうやってまわれると思っていなかった。ワクワクして楽しかった」。
日野さんも感激しきりで「こんな歴史的な瞬間に自分が立ち会えるとは」。
「これこそ、レジェンドなんだな。6回目にしてレジェンドなんだ」(青木)。
このほか、大会初日は競技終了後に今年もプロゴルファーの妻たちによる熱き戦い“ワイブスコンペ”を開催。妻のバッグを夫が担いで回る3ホールマッチで谷原夫妻が優勝を飾った。
また青木は、本戦を欠場した分、福島県相馬市から招いたジュニア16人に熱血指導だ。“レジェンドキッズプログラム”でアオキの極意を余すところなく伝授した。
そして、本戦はこちらのレジェンドが首位発進だ。“ミスター59”こと倉本昌弘が5アンダーをマークして「明日が楽しみ」。著名人の部で首位に立った小倉智昭さんも「明日も出来れば平常心で」と、意気込みを語っている。いよいよ最終日には、レジェンドたちのどんなドラマが待っているのか。
最終日の模様は今日18日日曜日にテレビ朝日(16:00〜17:25)でもごらんいただけます。