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夢を持つ事と諦めない事の大切さ 上平栄道③
始めに上平の生い立ちが紹介。
「みんなと同じ年齢の頃は、落ち着きがなく、よく先生に怒られていたかな。そして以外にも、体が弱くてよく病院へ行っていました」と自分が小学生時代の頃を語り始めた。
健康な体になったきっかけは子供の頃にやっていた「野球」、と上平は言う。
少年野球チームに入って友達と野球をする事がとても楽しく、なお且つ、上平の丈夫な体をつくり上げ、小学6年生になる頃には殆ど病院へ行く事もなくなったと言う。
もちろん、その頃の夢はプロ野球選手で、今でも地元「広島カープ」の大ファン。
「自分にとってスポーツは仲間の大事さを教えてくれて、なお且つ丈夫な体をつくってくれました。みんなにもスポーツを楽しみながら、丈夫な体になって欲しいです」と語った。
ゴルフを始めたのは中学2年生の頃。きっかけは、父親に練習場へ連れて行ってもらい、ゴルフの虜になったと言う。
「高校でゴルフ部に入る」と決心をして、広島県内でもゴルフが強豪の高校へ入学。
毎日の厳しい練習にも耐えて、高校2年生の中国ジュニア大会で2位、そして高校3年生の中国ジュニア新人戦で優勝。
ここでひとつ夢を叶え、自分にとって大きな自信になったと上平は言う。
大学もゴルフ部へ入部したが、なかなか成績が上がらず、何度も挫折を味わうが、周りの仲間が「頑張ろう!」と声を掛けてくれて助けてくれた。
そして、大学4年生の関西学生選手権大会で見事優勝。
「あの大学時代の仲間は今でも自分にとって大事な友達です」と、友達の大切さを説明。子供たちも真剣な眼差しで聞き入っていた。
「プロゴルファーになりたい」と思ったのもこの大学4年生の頃。
身長158cmと小柄な上平に、「体が小さいからプロでプレーするのは無理だろう」と周りから言われ、「すごく悔しかった」と上平は言う。
その言葉をバネに、「体が小さくてもプロゴルファーになれる」と自分に言い聞かせ、「どうしたらもっとゴルフが上手になれるのか?」と毎日考えながら練習をした。そして他の人より何倍も努力をした。
その結果、2001年にプロテストに合格。
2002年には予選会から勝ち上がり、日本オープンゴルフ選手権へ出場。
ツアー初出場で予選を通過して、自信となり、下部ツアーにあたるチャレンジツアーでは計4勝。2003年と2008年にチャレンジツアーで2度の賞金王に輝き、昨年念願のツアーシード権を獲得した。
「何に対しても諦めてはいけない。あの時は悔しかったが、努力で夢を叶えられる事を知りました。今思えば人より体が小さいからと言われた事に感謝しています」と笑顔で語る上平。
「僕の夢は、体が小さくてもプロで頑張っているという姿を見せて、人に元気や勇気を与えられるようなプロゴルファーになる事、そしてツアー賞金王になる事が今の夢です」と子供たちに力強く語った。
最後に子供たちから上平へお礼にと校歌の合唱がプレゼント。
上平は「同じ尾道市出身者から夢を追いかけて実現できる人がたくさん出て来る事を願っています」と子供たちへエールを送り、体育館から子供たちがいなくなるまでサインを書き続けた。