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ツアープレーヤーの海外ツアー参戦報告「ゴルフって、世界共通!!」(田島創志)

今年8月の久光製薬KBCオーガスタで涙の初優勝をあげた田島創志が、12月11日から4 日間の日程で行われたモロッコのトーメント『ハッサン?世ゴルフトロフィー』に挑 戦した。

田島の後日談によると、モロッコ(注1)の首都・ラバト市内のロイヤルゴルフデッ サラムゴルフコー スで行われた同大会は、前国王のハッサン?世の代から30年以上も続いている伝統の 試合だった。歴代 チャンピオンには、ペイン・スチュワートやニック・プライス、ビジェイ・シンな ど、錚々たる名前も 並んでいる。

田島がこの試合に挑戦することになったそもそものきっかけは、主催者から日本ゴル フツアー機構に、 「日本の若手有望選手にも、ぜひ来て欲しい」との打診があった。「稼げる場所があ るなら、どこにでもチャレンジして行きたい」という田島が、ひとり手を上げたこと から実現したのだが、「こんな由緒あるトーナメントとは知らずに行った」という本 人も、その歓迎ぶりと歴史の深さにすっかり度肝を抜かれてしまった。

「大会初の日本からのお客さま」ということで手厚いもてなしをうけ、宿泊、交通、 キャディ(ハウス キャディのモハメドさん、29歳)などは、すべて主催者持ち。出場選手の顔ぶれも多 彩で、中には欧州 ツアーで活躍中のタイ・トライオンや、ミゲル・エンジェル・ヒメネスなどもいたと いう。

そんな層の厚いフィールドで、田島は優勝争いを展開。首位と6打差つけられてはい たが、最終日は通 算6アンダー2位で最終組(2サム)からのスタート。さすがに、時差ぼけと疲れが ピークに達し、優勝 したスペインのサンチャゴ・ルナの通算12アンダーには及ばなかったものの、イーブ ンパーでまわって 6位タイと大健闘したのだ。

その前週は、初出場だったゴルフ日本シリーズJTカップ、さらにその翌週にはアジア ・ジャパン沖縄オ ープン出場と間を挟み、モロッコまでフランス経由の往復30時間の移動はかなりこた えたが、賞金1万 4000ドル(注2)とともに、大きな収穫も持ち帰った。モロッコの公用語はアラビア語。現地では、英語さえもほとんど通じない状況だった が「そんなことは大した問題じゃない、と実感できた」と田島。

「どこの国へ行っても、良いプレーさえすれば、現地の人たちと十分に通じ合える。 ・・・ゴルフって、 やっぱり世界共通なんだってことが、今回の遠征で身にしみたんです」。

田島には、これからいっそう積極的に世界へ出て行きたい、との欲求が深まった今回 の遠征だったようだ。

注1・・・北西アフリカのモロッコ、アルジェリア、チュニジアの3国を総称してマ グ レブと呼ばれる。 その西端にある人口約3064万人の都市。総面積は日本の約1.2倍の44万6500平方キロ メートル。海、山、高原、砂漠とバラエティーに富んだ地形で、朝夕の寒暖の差が激 しい地域が多い。日本との時差はマイナス9時間。

注2=日本円で約150万円、ちなみに優勝賞金は5万ドルだった。

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