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2013年度のジャパンゴルフツアー表彰式を開催【動画UP】
8日の日曜日は日本中を感動の渦に巻き込んだ。誰もが待ちに待っていた。宮里優作が最終ホールの劇的なチップインパーで、悲願のツアー初優勝を飾った。その余韻もさめやらぬ9日の月曜日は年末恒例のジャパンゴルフツアー表彰式。
同大会をもって、各部門別のランキングも確定して、その1位者の功績を称える晴れ舞台は日頃から、ツアーを支えてくださるスポンサーをはじめ、ファンや関係者のみなさまに選手たちが直々に、感謝の気持ちを伝える貴重な場所でもある。
今年も激闘を戦い抜いた男たちが、東京のパレスホテルに集まった。それぞれの個性もあでやかに、みなが揃ってスーツで正装した姿はコースではちょっと見られない。ビシっと決めた精鋭たちが、ステージに立つ様はまさに圧巻・・・!!
その中でもっとも輝いたのは今年、ジャパンゴルフツアーに現れたばかりの怪物だった。ルーキーで賞金王の座についたのは、史上初。松山英樹はなんと、主な18の賞のうち半数の9つを独占したのも史上初めてなら、最優秀選手賞と最優秀新人賞のW受賞も史上初だ。
日本ゴルフツアー機構の海老沢勝二・会長も言ったように「今年は松山選手に始まり、松山選手に終わった」。国内外を含めて16試合で、賞金王に輝いたのも史上最短記録(99年以降)であった。
華々しい賞の数々とは裏腹に、本人はいたって無骨な男はそれでもシーズンオフのリラックスムードを漂わせてニッコリと「1年目でこれだけたくさんの賞をいただけたのは、素直に嬉しい」と、微笑んだ。
伝説の始まりは、4月だった。ツアーデビュー戦にもなった開幕戦の東建ホームメイトカップを上々の10位タイで飛び出すと、早々に「やっていけるかなという自信になった」と手応えをつかむと、2戦目のつるやオープンで、早速プロ初V。その週は、ジャンボ尾崎がレギュラーツアー史上初のエージシュートを記録したことも重なって、66歳と並んで出た表彰式は、本人とっても「今年、一番嬉しい思い出」と、振り返る。
それからあれよあれよという間に、階段をかけのぼった。さらにダイヤモンカップで早速2勝目。海外メジャーを含めて7試合連続のトップ10入りなど、あっという間に1億円超え。誰も手が届きそうにない“聖域”に到達して、もはや敵なしの様相に。
そして、いよいよ記録尽くしの賞金王を確定させたのが、思い出の地。高校時代を過ごした高知県でキメた。カシオワールドオープンで今季4勝をあげて、史上最速の2億円超えも達成した。
「地元で賞金王を決められたことも嬉しかった」と恩返しの快挙達成が、何より本人には誇らしかった。
しかも、手負いのV争いで射止めた王座。少し前から悪化させた左手の痛みは深刻で、最終日もたびたびショットで手を離すなど、右手1本で戦い抜いた。無理をした分、翌週のツアー最終戦を休むしかなくなって、「賞金王として参加出来ないのは残念で申し訳ない」と普段、無口な男がひたすら謝罪に終始した。
「試合にフル参戦したのは初めての経験で、秋には体調を崩すことも多くて。今後の課題になった」と、来季は米ツアーの本格参戦を控えてこの日の表彰式でも、数々の賞を受けた際のプレゼンターは、そうそうたる永久シードの面々から激励を受けて気も引きしまる。
「来年はアメリカを控えてみなさんに頑張れと言っていただいて。期待に答えたいという気持ちが強くなりました」。目標は、まずはシーズン早々に米のシード権を決めること。「早く決めてスケジュールに余裕を持たせて、また日本のツアーに参戦したいので」。そして、もちろん本場ツアーでの1勝だ。
「向こうで勝って、日本に戻ってきたい。アメリカでも今日のようにいろいろな賞がもらえるように頑張っていきたいです」。そのためにも今はとにかく羽を休めて、まずは体調を万全に整える。
※部門別ランキング、特別賞受賞者一覧
<最優秀選手賞> 松山英樹
<賞金ランキング1位> 松山英樹
<Unisysポイントランキング賞> 松山英樹
<最優秀新人賞 島田トロフィ> 松山英樹
<チャレンジ賞金ランキング賞> K・T・ゴン
<平均ストローク1位> 松山英樹
<平均パット1位> 谷原秀人
<パーキープ率1位> 松山英樹
<パーオン率1位> 梁津萬 (リャンウェンチョン)
<バーディ率1位> 松山英樹
<イーグル率1位> 黄重坤(ハンジュンゴン)
<ドライビングディステンス1位> ブレンダン・ジョーンズ
<フェアウェイキープ率1位> 川村昌弘
<サンドセーブ率1位> 松山英樹
<トータルドライビング1位> 黄重坤(ハンジュンゴン)、甲斐慎太郎
<ゴルフ記者賞> 松山英樹
<Most Impressive Player賞> 石川遼
<特別賞> 尾崎将司(史上初エージシュート)