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合宿2日目! 昨年のチャレンジ4位、富村真治は「いつか先輩を超える」(1月28日)

2日目は池田が合宿を視察。富村(右)は大センパイの登場にますます闘志も高まって・・・
27日からスタートした「JGTO強化セミナーin宮崎フェニックス・シーガイア・リゾート“オリンピックを目指して”」。縮めて通称「宮崎合宿」は、2日目。22歳の富村真治にとっては昨年に続いて2度目の参加も、これが初参加のようなものだった。昨年は、2日目の夜に体調不良でダウン。そのあと、下痢と嘔吐を繰り返して、起き上がることも出来ずに結局最終日まで、ホテルの部屋にこもりきり。

「何も学べないままで、悔しかった」。
“リベンジ”の再参加は、「また途中で調子が悪くなったらどうしよう?」と昨年のトラウマに、一抹の不安を抱えつつ、手洗いうがいに徹して、「今のところ、元気にやっています」。

改めて参加した合宿は、初日から感動しきり。フェニックスカントリークラブでのラウンド合宿を挟む5日間は、間に各専門分野の講師陣による内容の濃い講義が目白押しだ。27日には夕食のあと、パワーリフティングの世界チャンピオン三土手大介氏の話に聞き入った。「当たり前のことを続けてきただけです」と三土手氏は、こともなげに言ったが「店で何かひとつ品物を手に取るときも必ず思うことは“今これを買うことが、リフティングの役に立つのかどうか“」。寝ても覚めても競技一途の生き様は、分野は違えど、説得力があった。

また、人間の体には4つのタイプがあるとする「4スタンス理論」の提唱者でもある、廣戸聡一氏の講義の中で、富村が強く共感したことは「プロ野球は団体競技だが、チームメイトとのポジションの奪い合いの繰り返し。相手を踏み台にしてのし上がっていくのは、どのスポーツでも一緒です」。
強い意志と闘争心を持つ者だけが、頂点に立つことが出来る。あらゆるジャンルのトレーナーをつとめてきた氏が出した普遍の真理に、「人生の先輩から貴重な言葉をいただいたと思った」という。

2回目の参加とはいえ富村には、いわば“出直し”の宮崎合宿となったが、いっそう充実に満ちたものとなった。一緒に申し込んだ日本アマ覇者の小袋秀人や時松隆光(ときまつりゅうこう)、香妻陣一朗らはアマチュア時代にナショナルチームでしのぎを削ってきた仲間だ。

本来ゴルフは孤独な戦いだけど、馴染みの顔とこうして一緒に汗を流したり、厳しいトレーニングで筋肉痛になったり。普段のオフ合宿とはまた、違った刺激がある。芝生の上で、笑い転げながらも「お互いに、こいつには負けないと思ってる。そういう相手と一緒に過ごす時間はそれはそれで、凄く楽しい」。

昨シーズンは、チャレンジトーナメントで1勝をあげて、賞金ランキングは4位に。無事に今季前半戦の出場権を勝ち取れたとはいえ昨年は、波乱続きだった。秋はレギュラーツアーのマイナビABC選手権で髄膜炎を発症して、初日に救急車で運ばれる事態に。それから1週間の入院は、失明の恐れもあるとの宣告を受けたほど。「昨年はいろんな経験が出来たから」。今季こそ、それを生かして目指すは“先輩超え”だ。

合宿2日目は、午後から選手会長が顔を見せた。視察をかねて、激励に訪れた。池田勇太の登場に、現場の空気がぴりっと引き締まる。しかも、富村にとっては、母校の東北福祉大学の大先輩。「憧れの人でもある」。面倒見の良い先輩は学生時代から、一緒に練習ラウンドをしてくれたり大恩人でもあるが、「いつかは超えなければいけない人」。
ツアー通算11勝の大先輩も、「倒していかなければ、いつまでたっても上には行けない。そういう強い気持ちでやらなければいけません」。偉大な先輩の背中をにらんだ。
  • 前夜初日の講義はまず各選手の体のタイプをチェック。中央が廣戸先生。右は小袋。歴代の日本アマチャンピオンとはともにナショナルチームでしのぎを削った
  • 2日目はまだ日も明け切らない早朝6時50分からコースに出てトレーニング
  • 中央が富村。その右は、女子プロの香妻プロの弟の陣一朗。彼もナショナルチームの一員
  • ゲンちゃんこと、時松隆光(ときまつりゅうこう、右)は、富村と同世代の若手ホープで昨年のQTは11位。今年はみんなで、初シード入りを狙っていく。

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