この日２日目は、初日とは逆の１番ホールからのスタートに、鍋谷太一は「今日はクラブ選択に迷って」。逡巡の末に、やはりスタートホールは、確実にフェアウェイキープだろうと、稀に見るバーディ戦にあっても前日と同じ３番アイアンを握り、守りの気持ちが先んじたことが仇となり、「ガンガン行けない１日」。

前半は４番でバーディを獲ったきり。伸び悩んで折り返したが、「２日続けて60台は、嬉しいですね。自信になります」。後半は４つのバーディで、通算11アンダーと盛り返してきた。
マンデートーナメントを勝ち上がり、出場権を掴んだ今季初戦で、堂々の７位タイで決勝ラウンドに進んだ。

注目が集まる中で、緊張の２日目でもあった。
前日初日は最終ホールのイーグルで、７位タイにつけてたくさんのメールが届いた。
「太一、イーグル締めやん」「かっこいい！」。
大阪学芸高校の２年生は、友達から続々と届く“いいね！”も、あえて詳しく「見やんとこう」と、翌日に備えてメールを読みふけらないように気をつけた。
それでもつい気になって、ネット検索。大手検索サイトのニュース欄に、自分の記事が上位で引っかかれば嬉しくて「載ってるやん！」。溢れる喜びも翌日のために、自分にプレッシャーをかけすぎないように苦心をしたものだ。

おかげで、プロ入り初の決勝ラウンド進出。「ツアーで予選を通るのは難しいので。嬉しい」と、満面笑みでこれで初賞金確定も「使うより貯めるのが好き」と17歳のちゃっかりさんは「明日も、獲れるところは獲ってチャンスをモノにしたい」と意気込む。

• 鍋谷 太一