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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2013
シード権のゆくえ
その線上には、ベテランの名前も。現在のシード権保持者の中では最長となる17年連続のシード権を記録している手嶋多一は現在、ランク68位で“圏内”にはいるものの、本人はとても安心など出来ないようで、土壇場の大ドンデン返しにおびえる。
このカシオワールドオープンは、2007年大会のチャンピオンでもあり、相性の良さを武器に最後の正念場を戦う。
そのほか、宮里聖志は“圏外”の現在ランク80位。先週までの獲得賞金は946万38円で、ボーダー線の72位は張棟圭 (ジャンドンキュ)の1191万1850円には、まだあと245万円ほど足りない。
もともとスロースターターは開幕直前に膝を痛めたり、またパットに精彩を欠くなど、今季は例年以上に出遅れた。ようやくここに来て、「今は調子がいいし、いつでもスコアが出そう」という状態まで立て直してきたが、もはやシード権の確保を狙う選手にとってはこれが最終戦。
シビアな1戦を前に、この日はパッティンググリーンで、カップの回りに8個のボールをぐるりと並べて延々とパター練習を繰り返していた。「1回でも外したら、またいちから」。根気と集中力が試される練習は、最高で2回り半の連続カップインを成功させて、ついイライラのたまる状況を自らに強いて、開幕に備えていた。
「始まってみないと分からないけど、普通にゴルフができれば大丈夫と思う」。弟や妹の応援も背に受けながら、“にいにい”が一発逆転に賭ける。