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ANAオープンゴルフトーナメント 2013
過去2度のチャンピオン、深堀圭一郎が2位タイに【インタビュー動画】
しかし、あれからぱったりと、勝てなくなった。
来月には45歳の誕生日を控えて、「調子も落ち気味で、集中力も出ない。モチベーションも上がらない」。
歯を食いしばるゴルフが身上のはずが、近頃は忸怩たる思いを抱えたままくすぶっていた。
再び火を燃やすきっかけは先週。震災復興イベントで選手会長と2人、岩手県の宮古市を訪れた。今も大きな爪痕が残る海辺の町で、子供たちと見たVTRがまさに、2005年のこの大会だった。
闘志を剥き出しにして、戦う自分。当時の記憶と残像を焼き付けて、その足で輪厚に来た。
今週は、火曜日の練習日に松山英樹を挟んで、大親友の丸山茂樹とコースを回った。
ケガを負いながらも、明るく振る舞う丸山の姿に励まされ、若い松山の底知れぬ強さに感嘆しながら、「自分もいま出来ることを、一生懸命にやらなければいけない」。
たとえば、読書ひとつとっても、「集中出来ているときは、内容がすんなりと入ってくるけど、散漫なときは、何も頭に入ってこない」。ゴルフもそれと同じことがいえる。ひとつのことに集中出来る状況を、自ら心がけて作っていかなければ、結果は臨めない。
それだけにこの日は、同じ組で回った手嶋多一に「粘り強いなあ!昔のケイちゃんみたいだよ」と、最上の褒め言葉をもらえれば、なお嬉しい。
スタートの10番でティショットをいきなり木に当てたり「内容はぼろぼろ」。でも、再三のピンチをしぶとくしのいで、ボギーなしの66なら「少しは自分らしいゴルフが出来たかな」。
持ち前のど根性も、戻ってきた。
「珍しく、集中してゴルフができた」と、思い出の舞台で深堀が、輝きを取り戻そうとしている。