記事
フジサンケイクラシック 1999
桧垣繁正優勝インタビュー(1)
「ボクは大事なときに限って、クラブフェースがシャットになりすぎて、切り返しで外から入る癖があるんです。16番では、バーディが取れたら勝てる、と思って、セカンドは残り227ヤードくらいをスプーンで打ったんです。風がアゲンストでしたから、低い球で前から転がそうと思ったんです。そしたら、やっぱりここでも手首が早く、ほどけてしまって。また、やっちゃった〜と思いましたよ。あの球の勢いなら、ぜったいさよなら(OB)だ〜って、覚悟しました。でも、あんな奇跡的なこと、あるんですね。残ってくれ〜って思ったとたん、右に跳ねてくれて…これはもう、きょうはボクに勝てといってくれてるんだと。16番はほんとにツキがありました。ボクのキャディ(ゲーリーさん)も、『おまえは世界で1番ついてる男だ』って言ってくれましたよ」
桧垣は前半、3番ミドルホールでボギーを叩いた。そのとき、1番、2番でバーディを奪い、一時通算9アンダーまで伸ばしていた尾崎健夫に1打差に詰め寄られていた。
桧垣
「え? そうだったんですか? ぜんぜん知らなかった。(2位の)コンランさんも、手堅いショット打って、追い上げてきてましたけれど、ボクは相手より、自分がしっかりしなければ、とそればかり思っていましからね。きょうは練習場で、いつになくいいショットが打てて、これはもう伸ばせるだけスコアを伸ばさないと、と思ってスタートしたんです。
きょうはアンダーパーが出せれば、それが優勝スコアだとわかっていました。最終日はピン位置が難しくなるはずだし、グリーンも固くなってる。下のほうが伸びても4つか5つ。それ以上は出ないだろうと、予想していたんです。もしアンダーパーで回れなくて勝てなかったら仕方ないな、と思っていました」
続く4番ロングでバーディ。再び2位以下を突き放す。
桧垣
「5番ミドルをパーで切りぬけられたのは奇跡的です。第2打を5番アイアンで軽く打とうと思ったんですが、ライが少しつま先下がりだったんで『右のバンカーへ入ってしまったらノーチャンス』だと思って『左だ、左だ』っていいきかせたてたら、ここでもとんでもなく左へ行ってしまって…。でも、ここをパーで切りぬけられたとき、『あ、これはいい流れだな』と思いました。
最終日は全体的に、ちょっとショットが乱れて、それをパットでカバーした形なんですけど、初日から3日目までは、グリーンもフェアウェーもそんなにはずさなくて、バーディチャンスにつけれたことが多かったんです。1週間、こういう日もあるんだなって思いましたね」
6番ショートでピン左3メートルにつけバーディ。しかし8番ミドル。9番ショートでは距離が足りず、手前バンカーに打ちこみ、連続ボギーを叩く。