記事

三井住友VISA太平洋マスターズ 2013

松山英樹は世界のキタノに

2ヶ月ぶりの日本ツアー。世界で活躍する松山には、久しぶりの日本で何よりの1日となった。この日、13日は恒例のプロアマチャリティトーナメントで、なんとビートたけしさんとのチーム戦。

ラウンドの合間のチャリティオークションでは、たけしさん自作の版画とデザインしたスカーフの競り合いが止まらず、とうとう20万円を越えて、見かねたたけしさん本人が「もうやめよう、20万であのお姉ちゃんにあげよう」と、とうとう泣き出してしまった女性の手にゆだねる場面も。

同組で回った石田純一さんも言ったとおりに「世界のキタノと世界の松山・・・!」。豪華競演に松山は、ここぞとばかりにたけしさんに、質問をぶつけたようだ。

「映画監督のお仕事は、どういうふうにアイディアを考えるんですか?」。
たけしさんは答えた。「考えて、アイディアが浮かばないくらいなら、考えない。必死で映画の台本を考えているうちは何も出て来ないのに、誰かと食事をしているときなんかに、急に浮かんだりする。ゴルフも同じで、今日練習したことが、明日そのまんまは出ないんだけど、ずっと後になってふいに試合で出来たりするだろう? もちろん、常に考えないといけないんだけど、松山くんも結果を焦っちゃダメだ」。

そんな熱弁をふるったあとで、ふいに我に返って「俺なんかが偉そうにね。言っといたけど」と、たけしさんは照れたが、松山にもその言わんとするところはしっかりと伝わった。
どの世界であっても「頑張んなきゃいけないんだなってことは一緒だと思うんで。同じ考えが返ってきたので良かったなと思います」。

石川遼らとも、交流のあるたけしさん。
今や世界で堂々と活躍する若い2人に目を細める。
「遼くんは、調子は悪いと出来るまでトコトン練習する子だし、松山くんは潜在能力が本当に桁外れだと、今日回ってみて思った」と、今大会は初出場のプロアマ戦に備えて、前日の火曜日には、努力家のたけしさんらしく、「恥をかかないように」と、かなり打ち込んで来たらしいが、「やっぱり恥ずかしかったね。プロを見てるとヤになっちゃう」と、松山の飛距離とパワーにも圧倒されて、苦笑いだ。

「どんなスポーツでも、今はじゃんじゃんと世界に出てやらないとダメだけど、松山くんなんかはどう見ても本場で勝負出来るし、世界で腹を据えて頑張って欲しいな」と世界のキタノがエールを贈った。
「松山くんと、遼くんとね、池田勇太と。このへんが、ガンガンやってくれるといいね。日本だけでやってちゃダメだ。映画もそうだけど、ただ日本で当てることを考えるより、世界の市場で買ってくれることを考えないど話にならない。ゴルフも、日本だけで勝ってもしょうがない。彼らには期待しているし、頑張って欲しいな」。

世界のキタノが認めた日本ゴルフ界のトップ3に、今週も期待したい。

関連記事