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日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills 2013
石川遼は予選落ち【インタビュー動画】
「・・・でもそれも、17番まででしたね」と、苦笑い。
16番は、190ヤードのパー3で、あわやホールインワンのピンそば20センチはこの日8つめのバーディで、通算スコアはイーブンパーまで戻した。
その時点で石川は、自分が予選カットラインにもぐり込んだと思っていた。17番で3メートルのバーディチャンスにつけて、見上げたスコアボードに驚いた。
「まさか(カットラインが)1アンダーとは思っていなかったので」。このチャンスをぜひとも決めなければならないという状況の中でも「ボール1個分ほど打ち出すスライスライン。良い集中力の中で、完璧なパットが打てた」と、手前30センチあたりを通過した時点で早くもカップインを確信したパッティングは、しかし「最後にいったい何が起きたのか」。半分ほどカップをのぞいた状態で、ボールは止まってしまった。
「絶対に傾斜は右が低いんですけど、なぜか左に行った感じがした」と、この日はほぼ半数の選手が通り過ぎたあとのグリーンは芝のいたずらか、思惑はみごとに打ち砕かれた。
ほんのつかの間、ボールが転がり落ちるのを待ってはみたが、すぐに観念して苦笑いでタップインするしかなかった。
最終18番は、なんとしてもバーディが必要になった。その正念場でティショットを右の深いラフに打ち込んだ。ややつま先上がりの深いラフはしかも、前に木が立ちはだかる状況から「セカンドショットはベストを尽くせたと思う」。
どうにか手前のカラーまで運んだが、アプローチはピンまで2メートルのパーパットが残った。
これも決めきれずに「最後は残念なホールになってしまったけれど。その100倍くらいに昨日のプレーが残念」。
6ヶ月ぶりの日本ツアーは、同い年の松山英樹と挑んだ21歳の直接対決。しかし石川はなんと初日に80を打って、最下位まで落ちるのだ。
「なんとかこの日のベストスコアを出せば、予選通過の可能性もある」ともちろん諦めてはいなかったが「5アンダーでスタートする英樹と、8オーバーでスタートする僕では気持ちに大きな違いがありました」。これ以上、ひとつもスコアを落とせない。むしろ相当数のバーディが必要という状況ではさすがに、「自分に自信が持てない。不安の中でのスタート」。その中で、怒濤のバーディラッシュはお見事と言うしかない。結局、週末には2打足りずに初日から、連日4000人を超える大ギャラリーにも「土日にプレーが出来ずに、本当に申し訳ない」と、真摯に頭を下げた。
“初戦”の予選落ちには悔やんでも悔やみきれないが、それでもまた次週から舞い戻る米ツアーには、手ぶらで飛行機に乗らずに済んだ。この日、ぶっつけ本番で投入したネオマレット型のパター。従来のL字型だと、開いて閉じるフェースの動きにストロークが安定しなかったが、真っ直ぐに引いて打ち出すタイプのこのパターなら、「今までと180度違う打ち方で、ラインと距離に集中出来る」と、課題克服の一助にもなることが分かった。
大叩きを喫した初日のプレー終了後にキャロウェイ社のサービスバスに駆け込み、この1本を見つけた。「今日はパットでリズムを作れた。水曜日のうちに、なぜ気づかなかったのか」。対応が遅れたことは、やっぱり悔やまれるところだが「今日1日で、いい物を掴めた。収穫があった」と、再渡米の良い餞別になった。
同じ6番アイアンでも16番のパー3では、球を曲げることで160ヤードまで飛距離を落とし、17番の2打目はドローボールで190ヤードと、1本のクラブで打ち分けられるようになったことでも、この数ヶ月の成長を実感することが出来て、自信を持って旅立てる。
そして、ライバルの存在だ。松山の実力はもはや言うまでもなく、この2日間で痛感したのはその存在の大きさ。「もし英樹が居なかった場合を考えると、本当に僕の中では大きな存在。お互いにメジャーで勝つというゴールに向かって走っている。そういう人が、ジュニアからの友達で、同じ歳で、日本にいる。表面的に、英樹の結果や成績に刺激を受けるというよりは、存在そのものが非常に大きい」。
いつか、必ず一緒に世界の舞台で戦おう。そんな思いをいっそう強くした2日間。今はそれぞれ別の舞台で、そのルートを模索して歩く。「今の僕の目標は、まずアメリカでシード権を取ること。これからが大切なシーズンになる。体をしっかり鍛えてケアをして、必ず達成して、また日本に戻ってきます」。
・・・また逢う日まで!!