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ダンロップフェニックストーナメント 2004

タイガー・ウッズが2位と3打差の単独首位「トップでホールアウトしたのは、ほんとうに久しぶりだよ」

この日初日は、朝から土砂降りの雨。雨脚は弱まることなく、断続的に降り続いた。芝はたっぷりと水分を含み、次第に重さを増していく。午後から冷え込むがきつくなり、選手たちから体温を奪っていく。

そんなタフなコンディションの中、「ウッズもけして、絶好調のゴルフをしていたわけではなかったと思う」(同じ組でまわった加瀬秀樹)。後半のハーフは、しばしばティショットを曲げていた。
それでも、スコアを作ってきた。
「今日は、とにかく我慢の1日だということはみな分かっていたはず。僕も今日は1打1打に集中して、とにかく、ピンの手前につけることだけ考えてプレーしたんだ」。

435ヤードの2番パー4。ティショットを左に曲げて、フェアウェー左サイドの木の後ろ。直接、ピンを直接狙えない状況から、「グリーン左のバンカーを狙って40ヤード、スライスをかけていった」。5メートルにつけた。ピンチを一転、チャンスに変えた。

前半の14番パー4では、7アイアンで左に引っ掛けた残り15ヤードの第3打を、チップインバーディ。
ボギーなしの5アンダーで、初日から早くも3打のリードを奪ってしまった。
この雨の中、4番、12番で計測されたドライビングディスタンスでも、平均284ヤード飛ばしてトップにつけた。

65のラウンドは、日本ツアー自己最少ストローク。単独首位は、日本ツアーで初。
「今年は、米ツアーでもトップでホールアウトした試合を思い出せないくらいなのにねえ…(笑)。何しろ、久しぶりのことだからいい気分。明日から、ポジティブな気持ちで挑めるよ」。

激しく降りしきる雨の中、濡れたグローブをこまめに変え、キャディのスティーブさんが1ショットごとにタオルでグリップを拭く間は、じっと彼に傘をさし掛けて待っている。
厳しい条件下のプレーにも、余裕が見える。

「こんなに雨が降り続いた試合は久しぶり。去年の3月以来じゃないかなあ…。でも、僕は南カリフォルニア出身だしジュニア時代から、できるだけ悪い天候の中でプレーすることを教わってきたからね。そのことで、忍耐力はついているんじゃないかな」。
サラリと言ってのけたあと、「…さてと。今日はこの雨だから練習もできないし、まずは食事でもして、ホテルへ帰ってトレーニングでもしようかな」と、白い歯を見せた。

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