記事

ANAオープンゴルフトーナメント 2012

歴代覇者の細川和彦は「思い出します」

スタート前に受け取った花束は中に細川のサイン色紙が入っておりそのままギャラリーにプレゼント! 40周年記念大会のセレモニーは16日日曜日の最終日にも実施予定です
今年の輪厚はお祝いムードに包まれている。記念の40回大会を迎えて初日も祝賀セレモニーが行われた。スタートの10番ティで、歴代チャンピオンに花束の贈呈式が行われた。

しかし、7年も勝ち星から遠ざかっている選手は、「ぼーっとしてた」。つい傍観者になって、自分もその立場であることを忘れていた。「慌てて頂きに、行ってね」と笑う。

大会側が、駐車場に用意した歴代チャンピオン用の専用パーキングにも気づかずに、この日は玄関からずいぶん遠くに止めた細川である。
キャビンアテンダントの方から大輪の花を受け取って、それでようやく思い出したことがある。

1999年大会は、涙のツアー通算5勝目だった。あのとき、18番グリーンサイドには思いがけない人の姿が。とっくに帰路についていると思っていた師匠の尾崎直道。
「そういえば顔を見た瞬間に、ずいぶん泣けてきたなあ、と。なつかしかった。ぜひもう1回あのシーンを、と思えた」と、気分よく輪厚の森に出ていった。
40回の記念行事は、41歳の闘志をくすぐるにも十分だった。

前半のインコースはおとなしく、すべてパーでまとめると、後半は3番のパー3で4メートルのバーディを奪って勢いづいた。それから3連続バーディで順位を上げてきた。

先週は、持病の潰瘍性大腸炎の兆候が出て、1日に10回も便座に座った。今週はせっかくの北海道も、「昨日もかけうどんでおとなしく」。体調不良も「長くやっていればいろいろあるし」と達観しきって好スタートに、「だってリキんだら、“出ちゃう”しね」といたずらっぽく、「ちょっと悪いところがあったほうが、逆に力が抜けてゴルフが良い場合もあるんです」。
これも、プロ20年の経験から悟ったことだ。

関連記事