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〜全英への道〜ミズノオープン 2013
元祖怪物!! 川岸兼良が「奇跡」の4連続バーディ
「ショットが最悪なんだけど…。無理だね。諦めたよ」。
そのかわりといっては何だが、この日初日は試合で初めて使ったという中尺パターに助けられた。
上がりは「奇跡の4連続」。
15番で、奥から4メートルを決めると、16番はOKパットも難なく沈めて17番でもまた奥から下りの4メートルを入れた。
そして最後の18番は、奥から7メートルのイーグルトライを2パットで締めて、一気に4アンダーまで伸ばして上がってきた。
ミズノが誇る“元祖怪物”。まさに敵なしの日大時代。1989年に鳴り物入りのプロデビューはその翌年に年間3勝を上げて目覚ましい活躍ぶりも、46歳の今はツアーの出場権さえなくていわゆる“二部ツアー”のチャレンジトーナメントで細々と過ごす日々だ。
せっかく目覚めた中尺パターも2016年からは、クラブの一部を固定して打ついわゆる「アンカーリング」が禁止されるが、「そのころには俺はゴルフをやめるから」との冗談も、周囲からすれば素直に笑えない。
いまや、取って代わって怪物と呼ばれる松山英樹。「羨ましい。俺は、今みたいに同い年の子もいなかったし、上下関係が厳しくて。恐る恐るやっていた」。糸巻きにパーシモンの時代に、一世を風靡した驚異の飛距離も、今の松山ほどには「伸び伸びとはやれなかった」と、振り返る。「今の子はいいよね。拓けていて」と、遠い目をしながら「でもね、俺もまだ粘るよ。負けたくない」。
ここ岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部にほど近い、東児が丘マリンヒルズゴルフクラブで行われている日本女子アマ。第2ラウンドを終えて、次女の史果さんが13位で決勝ラウンドに進んだニュースはこの日のラウンド中に、ボランティアの方から聞いた。
「自分も娘に見せたいというのはあります」という父親の威厳。ホストプロとしての思いも若いころのように、ぎらぎらとしたものではなくなったがそれでも「良いところでプレーしたいというのはあります」。あわよくばという欲はシニア入りまで4年に迫った今もしっかりと、心にある。「だから、そっとしといて」。おどけたように、180センチの大きな体を小さく縮めて、懇願した。