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また逢う日まで・・・!!
東北の宮城県は石巻市の子どもたち.
この日はインスタートの青木は、ハーフターンの1番ティで、子どもたちの笑顔を見つけた。ギャラリー整理用の“お静かにボード”を持って、ボランティアを体験する子たち。
たちまちえびす顔になった。歩み寄って、肩を抱いた。優しい声で、話しかけた。
「昨日の雨は、おじちゃんにもつらくて、棄権をしようかと思ったんだ。でも、良かった。君たちに会えて良かった。今日のお天気は、みんなのためだな!」。
2009年に「子どもたちの未来のために」を一番のスローガンに、今大会は始まった。未曾有の大震災が起きたのは、その2年後だった。東北にも寄贈先を増やして、社会貢献につとめてきた。
その一環で、今年は東北の子どもたちをご招待。
はるばる、石巻からやってきた5人の女の子たち。会場の華やかな雰囲気に、笑顔がキラキラ輝く。「テレビで見ている人たちが一杯いて、すごく楽しい!」と、嬉しそうにさんざめく。
ドラマの中でしか見られない有名な俳優さんたちに、優しく声をかけられ目が輝く。そんな蒼々たる著名人の中でも、女子たちの一番人気は、やっぱり若きヒーローだった。
東北福祉大に通う学生プロは、宮城が生んだゴルフ界の至宝だ。
「松山選手が大好きです」。
あこがれの人が、スタートの1番ティにやってきて、急に一緒に写真を撮ることになった。そのときの肉声は、もうそらで言える。
「『え?あ、撮るの?』・・・だって!!」。松山の声色をマネしたのは、東松島市立矢本西小6年生の葛西紀香さん。クラスメイトの庄司百花さんが、かたわらでクスクスと笑った。
「急に言われて松山プロ、びっくりしていたんだよね!」と、相づちを打ったのは佐々木はるさん。震災が起きるまで通っていた石巻市立湊第二小学校は津波で甚大な被害を受けて、今はバス
で45分をかけて、矢本西小学校に通っている。湊第二小は来年にも再校される予定だと、佐々木さんは聞いているそうだが「もう、私は通えないから・・・」。いよいよ卒業年度を迎えて、二度と母校に帰れないのは寂しいが「新しい学校はとても楽しいし、新しいお友達も出来たから!」。
1番ティでギャラリー整理のお仕事体験が終わるなり、佐々木さんたちと一緒に参加した石巻市立蛇田小学校の初貝優花さん(5年生)と、彩花さん(3年生)姉妹も連れだって、駆けだしていった。
「今から遠藤さんを見に行く!」。
ココリコの遠藤章造さんの大ファンなのだそうだ。
そして18番ホールで行われた表彰式では、プロの部で優勝した池田勇太や、俳優の中井貴一さんと同じ舞台に立ち、大ギャラリーの拍手と歓声を浴びて、嬉しいやら緊張するやら・・・。
さて、今日1日でお友達への良いお土産話が出来たかな?
タレントのお兄ちゃんも、プロゴルファーのお兄ちゃんたちも、みんなが良い思い出を持ち帰り、おうちに帰っても元気に、楽しく学校生活を送っていかれることを、心から願っています。
今季の“初優勝”をあげた池田勇太は言っています。「子どもたちへのチャリティを一番の目的としたこの大会で、今年も僕ら28人のプロと、著名人の方々と、アマチュアのみなさんとともに大会を盛り上げ、楽しみながら、社会貢献が出来た。そんな貴重なチャンスを与えてくれた青木さんに、心からありがとうございますと言いたいです」。
出場選手はこの2日間というもの、みな東北で頑張っているお友達みんなのことを頭に置きながら、一生懸命にプレーしました。また、東北のみんなだけでなく、日本全国のお友達のために少しでも役に立ちたいと、頑張りました。
大会の発起人で、実行委員でもある、青木功から最後にみんなにメッセージがあります。
「おじちゃんもな、またみんなに逢いに東北に行く! そのとき逢っても、知らないふりをするなよ! 近いうちにまた逢おう。待っていてくれ」。
また逢う日まで・・・!!
※「ザ・レジェンド・チャリティプロアマトーナメント」は実行委員の青木功と王貞治氏と日野皓正氏が、3人の共通点であるゴルフを通じて「子どもたちに手をさしのべたい」という思いに、多くのプロゴルファーや著名人のみなさまにご賛同いただき、今年5回目を迎えたチャリティイベントです。
この大会で得られた収益金は、病気で苦しむ子や東日本大震災で被災した子どもたちへの寄付にあてられ、これまでのチャリティ金は1億5000万円を超えました。