記事

中日クラウンズ 2010

ポール・シーハンが復活間近・・・!?

出だしの連続バーディが、この日の好プレーを決定づけた。「良いスタートを切れたことで、そのあともずっと波に乗れた」と笑顔で振り返った。

後半のバック9は「僕にはピン位置がとても難しく感じられて。まったくチャンスがなくなってしまったけれど、よく耐えられたと思う」。
ボギーは11番のひとつにとどめ、通算6アンダーで首位を1打差の射程に捉えた。

2006年の日本オープンで、片山晋呉を退けた陽気なオージーは難コースでこそ、強さを発揮するタイプでもある。
「確かに、難しいところで僕はけっこう良いですが、それが何でなのかはさっぱり」とおどけたポーズで笑ったあとに、「でもきっと難しいコースでは普段以上に集中力が増すことで、それが良い方向に行くのでしょうね」と、自己分析してみせた。

翌年の2007年は、意気揚々と米ツアーに挑戦。しかし、本場ですっかり自信を無くして舞い戻った。
「いろんな選手のスイングを見過ぎて、自分を見失ってしまった」と振り返る。
その影響からか、昨年の日本ツアーは賞金ランキングによるシード落ち。

もっとも、日本オープンの複数年シードで出場権は持っており、「そんなに落胆はしなかったよ」と相変わらず陽気に笑うが、復活にむけた取り組みは怠らなかった。

このオフは、10年来の教えを乞うデニス・ミックディさんと二人三脚で基本に立ち返り、「良かったころのスイングに戻ってきた」と手応えを掴んで心機一転の2010年。
「ビッグな年にしたい」と意気込む。

ちなみに、ミックディさんは先週のアジアと欧州共催のバランタイン選手権で優勝したマーカス・フレイザーも指導する、知る人ぞ知る名コーチだそうだ。
「非常に優秀な人なんだけど・・・。今までは僕が、ちっとも彼の言うことを聞かなくて」。
しかし、33歳を迎えたいまは「ようやく素直に聞けるようになってきたよ」と、可笑しそうに笑う様子に、V争いの気負いはまったく感じられない。

関連記事