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関西オープンゴルフ選手権競技 2012

池田勇太が62をマーク

スタジアム風になった18番グリーンは、急勾配に選手のカート送迎があるが、全員乗り切れずにひとり、徒歩で帰ってきた池田。
南の空が、みるみる真っ暗になった。ものすごいスピードで近づいてきた雷雲は、13時53分に中断のサイレンが鳴って、選手もギャラリーも、安全な場所まで避難したのを待ちかねたように、猛烈な豪雨を降らせた。
稲光が何本も落ちた。
恨めしそうに空を眺めた池田が小さくつぶやく。「最悪だよ」。

3日目は、ボギーなしの9アンダーで17番まで回ってきた。そのころには空のそこかしこで雷のとどろきが聞こえており、ちょっぴり慌てて打った第2打が左手前のラフに落ちたそのあとに、プレーが止まった。

雷から逃げようと、マークだけして急いで避難してきたからよく確認してなかったが、約3時間後に戻ったら、「旗しか見えない。グリーン面が見えない難しいアプローチだった」。

再開時間の16時50分より早めに行って、確かめてみたら先ほどの豪雨でグリーンの感触も変わっており、「止まり過ぎるんじゃないか」などと思案しながら打ったら、大きくピンを行きすぎてしまった。奥から6メートルのバーディトライは決めきれなかった。

「欲を言えば、ほかにも2つ3つチャンスはあった」と、中断前の17ホールを振り返り、しかし「それは明日に取っとくとして、今日は我ながら良いゴルフをしたのかな」と、満足そうに頷いた。

久しぶりの大爆発。7番で8メートルの長いバーディが「ぽーん、と入ってから5連チャン」。
5連続バーディの猛チャージ。
「ちゃんちゃんちゃん、と良い感じで取ったね」と、満面笑みで自画自賛。
先週まで2週間のオフは熊本県の玉名カントリークラブで張ったキャンプ。「今日のゴルフにつながっているものはある」。
過去9勝も、ここでは未勝利。「スシとか肉、フグやハモとかね。美味い店が多いしね。好きな関西で勝ってみたいね」と、若大将が舌なめずり。

「明日もしゃんしゃん、と伸ばして65くらいは出しておこうかね」と、虎視眈々と実現すれば区切りの通算20アンダーにも「ちょうど良かろう」としたり顔。
勝てばこれまた区切りのツアー通算10勝目は、史上最年少記録でもある。

※最終日に池田が勝てば、26歳7ヶ月と28日でのツアー通算10勝目は、当時27歳8ヶ月と5日のジャンボ尾崎を抜いて、1973年のツアー制度施行後の最年少記録となります。

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