5アンダー「66」のゴルフを連続バーディで締めくくり、「やっぱり、勇太は上手い!」と、大絶賛したのは隣のラヂ・専属キャディ。
この日も30℃を超える猛暑の中、「昨日に比べたらましでしたよ」と、爽快に上がってこられた。
2年前に発症した「顎偏位症」の手術はこの春、ようやく完了したが、昨季シード落ちを喫したことで、出場資格を何も持たない今季は、デビューの2008年以来となるABEMAツアー(当時名称はチャレンジトーナメント)にも出場。
「若い選手も、うまい、ヘタがありますね。見ていて面白い。あそこには追いつかないけど、僕らは僕らのゴルフを」と、学ぶことも多い。
今季初戦の5月「ミズノオープン」は、歴代覇者(2019年)の資格で出て、つい2週前には選手会主催大会「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」で、「自身初」の現地ウェイティングも経験した。
早朝から延々、午後の最終スタートまで待ったが出番来ず…という結末を味わい、「若い選手はこういうのを毎週やっているのか、と。僕なんかが言わないと変わらない」とその苦労や、システム改善の余地があることも知ることができた。
かみ合わせの異常からくる痛みをこらえていた術前と、痛みが完全消滅した術後では「フィーリングが180度違う」と言い、違和感払拭のためにクラブの長さや重さを変え、今大会ではグリップにバックラインがないタイプに変え、「これも人生初です。違和感はものすごくある。でも、その日によってアイアンが左右でずれるんで。それをなくすためにしょうがなく」。
懸命の試行錯誤も「100%これでいいはない。でも、以前の6割7割から、8割9割くらいで打てるようになってきた。1年かけて、時間かけてやればいい、と思っている」。
地道な作業にも、着実に手ごたえは出ている。
2014年の「日本オープン」覇者の資格で今季のレギュラー2戦目に挑む本大会は、2009年の恵庭でツアー初優勝。
その後、通算21勝に至る始まりの大会だ。
「古い話ですよ、もうずいぶん」と、苦笑をしたが、大会主催のPGAの役員やスタッフさんには昔なじみの方も多く、このまま上位を続けられれば気合の入り方も徐々に上がっていくのは間違いない。